“ユース教授”のサッカージャーナルBACK NUMBER
鈴木武蔵が“実質”3試合連続ゴール。
高木琢也&ミシャと、一歩目の質。
posted2020/03/31 11:50
text by
安藤隆人Takahito Ando
photograph by
J.LEAGUE
「昨年、リーグ15点を目標にしていたのですが、それが達成できなかった。だからこそ今季はまた15点を目標にして、キャリアハイを更新したいです」
北海道コンサドーレ札幌のストライカー・鈴木武蔵は今季、達成すべき明確な目標として具体的な数字を挙げている。その言葉から「何が何でも達成しないといけない目標」という彼の強い意志を感じた。
3月21日、新型コロナウイルス拡大防止の影響でリーグ中断を余儀なくされている中、鹿島アントラーズとの練習試合がDAZNで配信された。その試合を映像で観たが、その言葉通り、彼の好調ぶりが窺えた。
豪快なFK、実質3試合連続ゴール。
鈴木は3-4-2-1の2シャドーの一角でスタメン出場すると、フィジカルとスピードを生かした前線からのプレスをかけ、裏へのスプリントとダイナミックなフォームでシュートを狙う。この姿は昨季から変わらない。だが、昨季に比べてもオフ・ザ・ボールの動きの質が高く、ボールを引き出すバリエーション、ボールを受けてからのドリブルとパスの選択の質が向上している。
0-1で迎えた63分、MF白井康介の右サイドからのクロスにドンピシャのタイミングで飛び込んでヘディングシュートを叩き込んだ。さらに圧巻は1-2で迎えた78分。左FKのチャンスに構えたのは、名手・福森晃斗。だがこの瞬間、福森の横に並んだ鈴木が蹴るのでは、と画面越しから感じ取った。
その見立て通り、鈴木は助走をつけて豪快なフォームで右足を一閃。壁に当たったボールは勢いよくゴールに突き刺さった。公式記録はオウンゴール。だが、鈴木のゴールへの貪欲な姿勢が表れたシーンだった。
2得点に絡む鈴木の活躍で、札幌は鹿島に4-2で勝利した。この試合は正式ユニフォームで正規のスタジアム、全国配信ありの公式戦と行われたゲームだ。中断のせいで少し伝わりにくいがわかりにくいが、今季の鈴木はルヴァンカップ開幕戦、J1開幕戦でも1ゴールを挙げており、これで実質3試合連続得点を挙げたことになる。