ワインとシエスタとフットボールとBACK NUMBER
「足りないものが多すぎる……」
トルシエも絶句のシリア戦敗北の中身。
text by
田村修一Shuichi Tamura
photograph byJFA/AFLO
posted2020/01/14 19:00
結局……初戦のサウジアラビア戦同様、最後まで攻撃面、闘志が見えにくかったU23日本代表。
足りないのは堂安、久保、板倉、菅原……。
「今日プレーした選手で、本番のレベルに達しているのは22番を除けばひとりもいない。とても五輪ではプレーできない。優れた選手たちはみな国外に出ているのではないか?」
――その通りです。
「誰がいるのか?」
――――堂安律、久保建英、板倉滉、菅原由勢……。
「中山(雄太)もいるだろう。オランダでプレーしている」
――そうです。
「それからオーバーエージも加わるだろう」
――ストライカーでは大迫勇也が入るかも知れません。
「南野拓実はどうなのか。彼はU23なのか?」
――いえ、年齢制限を過ぎているので、入るならオーバーエージになります。
「そうか。繰り返すが結果には本当に驚いた。日本が勝つべき試合だった」
「タレント不足であったのも否めない」
「この試合、上田の決定機を除き、得点機会をさほど作り出さなかったのも事実だ。日本に得点のチャンスが何度もあったわけではない。コーナーキックと幾つかのシュートはあったが、タレント不足であったのも否めない。攻撃能力が十分ではなかった。アグレッシブさを欠いて突破も不十分、セカンドボールも拾えなかった」
――大会に向けての準備期間は短かったですが、このグループとしてはある程度時間をかけて活動しているのでちょっと奇妙な感じです。
「シリア戦はサウジ戦から選手を6人替えた」
――フレッシュな選手を起用して、パフォーマンスを向上させようとしたのでしょうが……。それではサウジ戦では良かった食野亮太郎はどうでしたか?
「ちょっと疲れていたようだった。今日は彼よりも22番の方が良かった。22番があらゆる好機を演出し、ゴールチャンスも作り出していた。上田へのクロスも彼からだった。しっかりと戦ってもいて、とても興味深かった」