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南野拓実2アシストのCLデビュー。
ザルツブルクが得た「最高の夜」。
posted2019/09/22 11:40
text by
中野吉之伴Kichinosuke Nakano
photograph by
Getty Images
すべてはこの時のために。
日本代表の南野拓実、そして奥川雅也が所属するレッドブル・ザルツブルクのホームスタジアム、レッドブル・アレナに、クラブ史上初めて欧州チャンピオンズリーグのテーマ曲が流れた。
チケットはもちろん完売。ファンは手に持った旗を力強く振り続け、選手は大歓声のなか胸を張ってグラウンドへ足を踏み入れた。ここにくるまで、なんと時間のかかったことか――。12年間、渇望し続けていた夢の舞台にいま自分たちはいる。
ザルツブルクは若手有望選手を獲得し、育て上げ、そしてビッグクラブへと高値の移籍金で売却していくという基本指針を持っている。そんな野心的なクラブの戦略に惹かれた将来性の高い選手が、ステップアップできる場所と考え集まってくるわけだ。
メインスポンサーであるレッドブルの「翼を授ける」というキャッチコピー通り、翼を手にして、ここから世界へと羽ばたこうと。
新たな逸材が続々と集っている。
今季も主力選手が次々と新天地へ移籍していった。FWムナス・ダブール(セビージャ)、MFハネス・ボルフ(RBライプツィヒ)、ザベル・シュラーガー(ヴォルフスブルク)、ディアディ・サマセク(ホッフェンハイム)……。監督のマルコ・ローゼもボルシアMGへと戦いの場所を移した。
ただし、空いた穴には若い選手をスカウティングし、チームには新たな逸材が集ってきている。
昨季から所属するU-20ワールドカップ得点王のノルウェー代表FWアーリング・ハーランド(19歳)、sosite
ハンブルガーSVからレンタルバックした韓国代表FWファン・ヒチャン(23歳)、さらにボランチのアントワーヌ・ベルネド(24歳)はパリSGから2月に加入し、センターバックのマクシミリアン・ブーバー(21歳)はセビージャから移ってきた。