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長友佑都は日本とトルコの代表選手!?
欧州CLでレアル、PSG戦への決意。
posted2019/09/23 11:50
text by
本田千尋Chihiro Honda
photograph by
AFLO
33歳になった。フットボールの世界ではベテランと呼ばれる領域に、気付けば足を踏み入れている。だが、いくら歳を重ねても、心は衰えそうにない。
「強い相手が来れば来るほど、やっぱり燃えますよね」
来たる巨敵との対戦を、長友佑都は、誰よりも待ちわびているようだった。
9月18日、木々が色付く閑静な運河の街、ベルギーはブルージュ――。
チャンピオンズリーグのグループA第1節。ガラタサライは、敵地でクラブ・ブルッヘと戦った。古びたヤン・ブレイデル・スタディオンの一角で、トルコ人たちが野太い声を轟かせる。時にスタジアム全体に響くほどの気焔に後を押され、トルコ王者は一進一退の攻防を繰り広げた。
長友は左SBのポジションで先発出場。夕暮れの試合の中で、対面するクレピン・ディアタが何度も仕掛けてくる。
「彼、かなりスピードもあって、20歳くらいですかね。若いセネガル代表で、すごく期待されている選手。分析をしっかりしていたので、今日も全体的にほとんどやらせていないしね。いい対応をできたかなと思います」
若いヤツにはまだまだやらせない。やらせるわけにはいかない。
長友は、ベテランらしい落ち着いた守備と、味方との連携で、左サイドの攻防を制した。
そして守りに徹するだけでなく、機を見ては鋭いオーバーラップで攻撃参加。82分には強烈なミドルシュートでブルッヘのゴールを脅かした。豊富な経験値と持ち前の運動量を武器に、日本代表の左SBは、CLのピッチの上で存在感を放った。
「僕のミドルも決まっていればゴラッソだった」
丁々発止の攻防の末、ガラタサライはアウェイでの初戦を0-0のドローに終える。試合後、長友は次のように振り返った。
「最低限の結果かな、と思いますね。ビッグチャンスも何回かあったので、正直勝ちたかったです。僕のミドルも決まっていればゴラッソだったので、悔しいですね。ミドルシュートの練習もやったりしていたので、いい感じでミートしてくれたかなあと思ったんですけどね……まあまあ、結果的には外れましたね」
歴戦のサイドバックは、少し悔しそうに笑みをこぼした。