球体とリズムBACK NUMBER
3つの問いをクリアでマリノス2位。
2年目のアンジェ体制はここが違う。
text by
井川洋一Yoichi Igawa
photograph byJ.LEAGUE
posted2019/06/25 11:30
ポステコグルー監督のもとで好調をキープするマリノス。結果が出ることでチームも一層団結しているようだ。
誰が出ても遜色のないマリノス。
「うちにはいい選手がたくさんいるので」と10番を背負う天野は話す。
「おれが言うのもなんですけど、誰が出ても遜色なくマリノスのサッカーができますよね」
勝ち切る力、回復力、厚みのある戦力。そのすべてを誇示したマリノスは、暫定2位に浮上した。今季は連敗がなく、総得点は長いこと1位を維持。ポステコグルー監督がナビゲートする攻撃的なチームに、安定感が備わり始めているようだ。
「今日は難しい試合だった」と指揮官は振り返った。彼が母国でブリスベン・ロアーを初のAリーグ制覇に導いたのも、就任2年目だった。2年目の今季の横浜でも、同じことができるだろうか。
「きれいな勝ち方ではないかもしれないけれど、結果を手にできた。多くのゴールは入らなかったが、ハードワークした末に勝ち点3を獲得できたのだ。今日の勝利は自分たちのスタイルを貫いた選手たちへのご褒美だ。間違いなく、選手の自信につながる」
マルコスは次節から戻ってくるし、ブラジルで開催されているコパ・アメリカで大活躍する三好もそのうちに帰ってくる。小柄なドリブラー泉澤仁の新加入も決まった。そして選手と監督の最新の月間MVPは、このチームの主将と指揮官だ。負傷者の心配は多少あるが、展望は暗くない。
曇り空の下で掴んだ渋い1勝が、その見込みを強くさせる。