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丸佳浩、坂本勇人を活かす1番打者。
巨人キャンプの鍵は吉川尚輝に。
posted2019/01/28 17:00
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph by
Kyodo News
いよいよキャンプが始まる。
今年の巨人打線はFAで丸佳浩外野手、炭谷銀仁朗捕手を獲得。オリックスから自由契約になった中島宏之内野手に新外国人のクリスチャン・ビヤヌエバ内野手が加入して、圧倒的な質量のある打線へと変化をしている。
「あとはこの戦力をどう組み立てるか。それが僕の仕事です」
3度目の現場復帰となる原辰徳監督はこう語り、ブチ上げたのが「2番・丸」というオーダーだった。
「少し楽な状態で野球をやらせたいというのはあるけど、理想で行くなら、2番に置けたらすごい打線になる」
メジャーでは2番に最強打者を置く。
メジャーでは2番に長打力と出塁率を備えた最強打者を置くオーダーが1つの流れになっている。
2017年には、ニューヨーク・ヤンキースがアメリカンリーグで本塁打王となったアーロン・ジャッジ外野手を2番に据えて得点効率のアップを図っている。また同年59本塁打でナショナルリーグの本塁打王になっていたマイアミ・マーリンズのジャンカルロ・スタントン外野手は、翌シーズンにヤンキースへ移籍し、やはり2番で起用されることがあった。
コンピューターによるシミュレーションでは打率の高い順にオーダーを組むのが一番得点率が高くなるが、1番に長打力の高いスラッガーを入れると、本塁打を打っても1点しか入らない。しかし1番に出塁率の高い打者を置いて2番に最強打者を置けば、その2番が本塁打を打てばいきなり2点、二塁打なら1点ないしは無死二、三塁と初回に大量得点のチャンスが膨らむわけである。