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大きくて優しい守護神チェフ引退。
プレミア16年目、最後に栄光を。 

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山中忍

山中忍Shinobu Yamanaka

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photograph byGetty Images

posted2019/01/19 11:00

大きくて優しい守護神チェフ引退。プレミア16年目、最後に栄光を。<Number Web> photograph by Getty Images

大ケガ以降、ヘッドギアが代名詞となったチェフ。2000~2010年代を代表する守護神だった。

チェルシーで計228試合無失点。

 無失点の試合数は、引退発表時点での通算717試合中313試合を数える。最盛期を過ごしたチェルシー時代には、出場した494試合の46%、2試合に1度に近い割合で完封し、クラブ歴代最高の無失点228試合を記録した。

 獲得したタイトル数も4度のプレミア優勝をはじめ、チェルシー史上初のCLとELなど計13冠。コミュニティーシールドとアーセナルで自身5度目の優勝を果たしたFAカップを含めれば18冠である。その数は、マンUとアストンビラでゴールを守ったシュマイケルが手にしたタイトルの数をも上回る。

 マンUの現役GKであるデヘアは、プレミア史上最高を名乗れる可能性を秘めている。だが、アトレティコ・マドリーから移籍した2011-12シーズン当時のパフォーマンスに賛否両論があり、20歳という若さが伸びしろとも不足分とも理解された。

「まだチェフが控えている」

 一方22歳でチェルシー1年目のチェフは、プレミアで35試合に出場して13失点。シーズン無失点試合でプレミア最多となる24試合を記録した。

 ジョゼ・モウリーニョ体制1年目だった当時のクラブが、堅守で鳴らしたのは事実。チェフの手前にはジョン・テリーとリカルド・カルバーリョのCBコンビがおり、その前方にはクロード・マケレレという名ボランチもいた。しかしその包囲網を突破されたとしても、「まだチェフが控えている」という安心感があったことは間違いない。

 プレミア最多の通算202試合無失点(執筆時点)の第1弾は、デビュー戦となった2004-05シーズンの開幕戦(1-0)で記録された。しかも、マンU相手のビッグゲーム。

 いきなり派手なセーブを披露したわけではない。それでも、フランスのレンヌからやって来たチェコ産の逸材は違いを披露した。

 ポール・スコールズがゴール左下隅を狙ったFKは、枠内に飛んでいてもセーブしていただろう。前に出てクロスをキャッチし、リーチの長いサウスポーから繰り出したハーフウェーライン付近へのロングスローは、得点には至らなかったもののFWマテヤ・ケジュマンのシュートに繋がった。

【次ページ】 CL制覇時にビッグセーブ連発。

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