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“韓国のメッシ”は代表入りしたが……。
日韓の現状が恐ろしく似る背景とは。 

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吉崎エイジーニョ

吉崎エイジーニョ“Eijinho”Yoshizaki

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posted2018/06/11 17:30

“韓国のメッシ”は代表入りしたが……。日韓の現状が恐ろしく似る背景とは。<Number Web> photograph by Getty Images

ボスニア・ヘルツェゴビナ戦でのイ・スンウ。バルセロナのユースで育った弱冠20歳のMFは、韓国代表全体の起爆剤となっている。

韓国は「どう戦うか」を明確にしたが……。

 だったら西野監督には腹をくくって、本大会で“突発的事故を起こす”気概を見せて欲しい。しかし現地からのレポートでは、そういったものは伝わってこない。それどころか、どう戦うのかも分からない。そこにストレスが溜まる。どう戦うかを隠しているのならまだよいのだが。

 短い準備時間の中、3バックを試した。韓国のシン・テヨン監督も「4-4-2がベスト」との多くの認識のなか、6月1日の国内最終テストマッチで3-4-3を試し、多くの批判を浴びた。しかしこれは「プランB(オプション)」であることを明言しており、「だったらプランAを固めろ」という世論・メディアの反発も明確だった。

韓国代表に最後の最後で入ったイ・スンウ。

 いっぽうこの時期の最終エントリー発表でも「安定型」「突発型」を思わせる一幕があった。

 日本は「おじさんジャパン」と一部で書かれるほどの「安定型」メンバーだった。そこに逆戻りした、というべきか。いっぽうの相対的に安定しているように見える韓国のほうが、さらに「突発性」を求める要素を入れてきたのだ。

 5月末、現地取材でMFイ・スンウ(ベローナ)の話題ぶりを目にした。バルセロナ下部組織で育ち、'16年にバルサBでプロデビュー。トップチームには昇格出来ず、今季からイタリアのベローナに移った。36節のACミラン戦でのゴールがシン監督の目に留まったか、代表キャップ0のまま5月14日の28人リストに加わり、そのまま最終エントリーまで残ったのだ。

 6月1日のボスニア・ヘルツェゴビナ戦では80分に投入されるまでに1-3とリードを許した。スタンドからは「イ・スンウを出せ~」というファンからの痛烈な叫びが幾度も聞かれた。

 その試合後には、韓国メディアからこんな質問が飛んだ。
 
「やはりワールドカップでは、末っ子世代の活躍が欠かせませんね」

 本人ははにかみながら「先輩たちに学びます」と通り一遍の返事を返すのが精一杯だったが、話題性も十分。日本からの取材者にとっては複雑な思いにさせられる事象だった。

 日本の今回の最終エントリーは韓国との比較でいうと「突発型」と「安定型」がブレた、恐ろしいものでもあった。決して雰囲気だけの話ではなく、'02年大会以降の歴史から言っても「突発事項」を入れるべきだった。つまりサプライズ選出。でなくとも直前の欧州遠征で実績を残した生きのいい選手が欲しかった。

【次ページ】 今大会は「挑戦」というより「実験」!?

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