サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
“韓国のメッシ”は代表入りしたが……。
日韓の現状が恐ろしく似る背景とは。
text by
吉崎エイジーニョ“Eijinho”Yoshizaki
photograph byGetty Images
posted2018/06/11 17:30
ボスニア・ヘルツェゴビナ戦でのイ・スンウ。バルセロナのユースで育った弱冠20歳のMFは、韓国代表全体の起爆剤となっている。
FIFAランクで61位の日本、57位の韓国。
最新のFIFAランキングで日本は61位、韓国は57位だった。32カ国の大会出場国中、それぞれ30位と29位。下から3番めと4番めだ。
3月の欧州遠征以降、結果が芳しくない。5月の大会前最後の国際Aマッチウィークでは、日本が国内で1試合、韓国が2試合組んだ点は少し違ったが、「国内で送り出す雰囲気」は非常に似ていた。壮行試合の意味合いの強かった国内ラストゲームではこんな共通点があったのだ。
日本 0-2 ガーナ
韓国 1-3 ボスニア・ヘルツェゴビナ
いずれもホームにて、W杯不出場国に、2点差で負けた。しかも大会まで時間のないなか就任した指揮官が「本大会ではっきりと使うか明言しない」3バックを採用して批判を浴びた点までそっくりだ。2試合を現地で取材したが、韓国メディアから「東アジアは、暗いな」と何度も言われた。
W杯の準備段階での日韓比較をしてみると……。
W杯の準備段階で、悪いことは決して悪くない。
サッカーの日韓比較の観点から、こう書いてきた。
“準備段階で苦労したほうが、W杯での結果がいい”
という近年のデータがあるからだ。'02年、'06年、'14年大会では、韓国のほうが本大会での成績が上だった。'02年は言うに及ばず、'06年大会も同じくグループリーグ敗退ながら、勝ち点1だった日本に対し、韓国は4を挙げた。'14年大会で両国ともに1勝も挙げられなかったが、韓国が大会総得点で1点上回った。
その間、日本は準備段階でアジアカップ優勝、コンフェデレーションズカップでの健闘を見せていた。
またジーコ監督就任以降は、アウェーで欧州の国に勝つという新たな歴史も築き始めた。同監督時代にチェコに勝ち、ザッケローニ監督時代にはフランス、ベルギーに勝った。