サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
“韓国のメッシ”は代表入りしたが……。
日韓の現状が恐ろしく似る背景とは。
text by
吉崎エイジーニョ“Eijinho”Yoshizaki
photograph byGetty Images
posted2018/06/11 17:30
ボスニア・ヘルツェゴビナ戦でのイ・スンウ。バルセロナのユースで育った弱冠20歳のMFは、韓国代表全体の起爆剤となっている。
今大会は「挑戦」というより「実験」!?
とはいえこの今、過去を振り返り嘆くことに意味はない。前回ブラジル大会でいなかったメンバーに「突発性」を期待するしかない。20歳前後の“刺激”、つまり若い選手を選ばなかった、という覚悟をもとに進むよりほかないのだ。
東口順昭(ガンバ大阪/32歳)、中村航輔(柏レイソル/23歳)、槙野智章(浦和レッズ/31歳)、植田直通(鹿島アントラーズ/23歳)、昌子源(同/25歳)、遠藤航(浦和レッズ/25歳)、原口元気(デュッセルドルフ/27歳)、宇佐美貴史(同/26歳)、大島僚太(川崎フロンターレ/25歳)、柴崎岳(ヘタフェ/26歳)、乾貴士(ベティス/30歳)、武藤嘉紀(マインツ/25歳)。
チームは「おじさんジャパン」「新鮮味がない」といわれるが、23人のうち約半数の12人いる平均年齢26.5歳の(全体よりも約1歳若い)“新人”たちだ。
そのうち、ハリルホジッチの下で招集機会が少なかったのが、柴崎と武藤。さらに大島は重要な場面で負傷を負い、結果を残すことはできなかった。こういった面々が起こす「突発性」こそがチームの光だ。ベタな話でもあるが、日韓比較の観点からそう思う。
日本のほうが揉めに揉め、'02年以降前例のない「韓国よりも不安定」という状況で迎える今大会。
「突発性」
日本もこの扱いをより深く知る大会になる。もはやこういった点で大会を観るよりほかない。これまで「安定型」で戦ってきたなか、今回は極端に「突発性」を考えるべき機会となった。挑戦、というより実験だ。
本当に叩かれるべきは、仮に敗れ、それが上記のメンバー以外の起用に固執する「安定型」によるものだった時だ。たとえ敗れたとしても「こういう実験をしたが、ダメだった」という蓄積がなされなかった時、「いったい何だったんだ」ということになる。