フランス・フットボール通信BACK NUMBER
マンチェスターC、その狂気を称賛。
天文学的投資で作るDF陣と新理論。
text by
フィリップ・オクレールPhilippe Auclair
photograph byRichard Martin
posted2018/02/25 17:00
ディフェンスラインのストーンズとオタメンディ。それぞれ、60億とも70億とも言われるDF陣としては史上最高クラスの移籍金で加入した。
ペップが獲得するDFの特徴とは?
グアルディオラはいつも「たった2人の選手を獲得するために3~4億ユーロも払うことを躊躇わない奴ら」とライバルとなるビッグクラブたちを揶揄する。そしてこう続ける。「われわれは同じ額を6人のために使っている」と。
これは、ライバルたちへの皮肉であると同時に事実でもある。
シティにおけるデブライネ=ジェズス=スターリング=サネの攻撃ラインは、実際にネイマールひとりよりも値段が安い。
同じことはシティのディフェンスラインにもいえる。
ゴールキーパーも含めグアルディオラが選ぶディフェンダーはまず若い。つい最近、ラポルテを獲得したことが象徴するように、23~24歳が理想的である。
さらにはアグレッシブにボールを奪い、批判の余地のない高い技術を持ち、躊躇なくボールを前へと繋ぐことができる選手を選んでいる。
そして当然ながら、監督の戦術的要求にしっかりと応えられる従順な選手であること。
これらの新しい選手を使って、彼は最終ラインの概念そのものを変えようとしているのだ。
バルサやレアルではない、マンC時代が到来。
この6カ月で彼が試みたのは、シーズンごとに変わることのない、絶対的に安定したラインの構築であった。これだけの投資をしてるのだから、その目標が達成されなかったとしたらまさに驚きだろう。
新しい守備陣は、単に今日明日の成功を目指しているのではない。
幾シーズンにもわたる輝かしい日々が彼らの前に広がっているのである。
いったいそれは何年続くのか……6年、7年、それとも10年以上にも及ぶのか。