サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
過去のブラジル戦と似た結果、内容。
それでも得られた日本の収穫とは?
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph byGetty Images
posted2017/11/11 11:45
過去4試合連続で8得点……日本戦で得点を量産しているネイマール。
酒井宏「早い時間帯の失点は痛かった」
ヴァイッド・ハリルホジッチ監督の自宅があるリールが舞台に選ばれた、今回の対戦はどうだったか。
“VAR”と略される「ビデオ・アシスタント・レフェリー」によって10分に失点をしたのは、少しばかり運に見放されていたと言えるかもしれない。
ただ、「あの早い時間帯に失点したのはもちろん痛かった」と酒井宏樹が振り返ったように、ゲームプランが崩れたのは間違いない。
しかも17分に2点目を喫してしまい、0-1の時間帯が長く続かなかったのだ。井出口陽介が苦しい体勢からクリアしたボールを、左サイドバックのマルセロに豪快に叩き込まれた。
過去も今回も前半のうちに、ゴールを奪われた。
'12年の対戦直後に、香川真司が話していた言葉が思い出される。
「今日の試合だけじゃなくて、過去の試合を見ても彼らは前半のうちに絶対に1、2点は取っている」
ロシアW杯の出場権を勝ち取る道のりでも、ブラジルは前半のゴールを勝点につなげている。南米予選の18試合であげた41点のうち16点は、前半に記録されている。
2点をリードしたブラジル相手に、日本の選手たちは難しい対応を迫られた。
ハリルホジッチ監督がこの試合の狙いとしていた、前からボールを奪いにいく姿勢をそのまま続けるのか。それとも、ブロックを築いてゲームを落ち着かせるのか。コンセンサスを得られないままボールは動き、ディフェンスが後手に回るようなボールの失い方をしてしまう。