ぶら野球BACK NUMBER
三冠王、監督、GM時代の落合博満。
知られざる「オレ流の素顔」を読む。
text by
中溝康隆Yasutaka Nakamizo
photograph byShigeki Yamamoto
posted2017/05/14 08:00
GM時代、12球団合同トライアウトの視察に来ていた時の落合。今季の不振で、氏の中日復帰を望む声もある。
落合の言葉に無邪気に喜んだ、若き日の小久保。
槙原や香田といった、選手生活晩年の落合と触れ合った男たちのどこか微笑ましい回想の数々。
侍ジャパン前監督の小久保裕紀も自著『一瞬に生きる』(小久保裕紀著/小学館/2013年2月)の中で'97年の落合とのやり取りを嬉しそうにこう綴っている。
プロ4年目、ライト前ヒットで出塁すると一塁を守る落合からいきなりアドバイスをされる。
「ツーストライクに追い込まれる前に、右打ちしているようじゃ、ホームラン40本は打てんぞ」
自分の素質を認めてくれたのかと、若かりし日の小久保は無邪気に喜んだ。
知られざるオレ流の素顔――。
90年代中盤から後半、そこにはもう“三冠王”でもなければ、まだ“名監督”にもなっていない一ベテラン選手、「人間・落合博満」の姿があったように思う。
See you baseball freak……。