マスクの窓から野球を見ればBACK NUMBER
巨人・篠原慎平を救った“二の矢”。
彼が野球の道に戻ってきた価値。
text by
安倍昌彦Masahiko Abe
photograph byKyodo News
posted2017/05/10 07:00
186cm、97kgの恵まれた体格で、育成指名から3年で支配下契約となった篠原慎平。偉大なる先輩、山口鉄也の後を追いかける。
篠原慎平は“二の矢”で返ってきた男である。
今は、その二の矢がいくつもある。
篠原慎平は、ここで通信制高校へ転じることを選び、そこから四国ILへの道を開いた。“二の矢”があるのだから、利用すればよい。
地下資源に乏しいのと同様、わずか1億数千万の人たちが、世界じゅうにあるすべてのスポーツに分散して愛好するこの国は、野球的人材資源だって、決して豊かとはいえない。
本人たちに訊いてみないとわからないが、しかし、おそらくは自分が最も得意とするものが“野球”だという選手は結構いるはずだ。
自らが最も得意とすることで人生を勝負できる幸せを享受するためにも、“二の矢”に転ずるタイミングを逸してはならない。一方で、それにふさわしい機関であるために、“二の矢”の存在はますます重要になってくる。
どのような分野、組織であっても、最大の財産は等しく人なのである。