酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
2000安打より200勝が難しすぎ!
エース級のMLB流出で絶滅の危機。
posted2017/05/10 11:30
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph by
Kiichi Matsumoto
今シーズンは、2000本安打に到達しそうな選手が中日の荒木雅博、ロッテの福浦和也、巨人の阿部慎之助、ソフトバンクの内川聖一、阪神の鳥谷敬と5人もいる。
5人ともに大台に達すれば、阪神の藤田平、広島の衣笠祥雄、阪急の福本豊、西武の山崎裕之の4人が2000本安打を達成した1983年を上回る大豊作だ。
そして4人の下にも現役中に、2000本安打を達成しそうな選手が控えている。巨人の坂本勇人はまだ28歳だが1444安打(5月5日時点)、このペースなら32歳くらいで2000本に達する勢いで、“アンタッチャブル”と言われた張本勲の3085本に迫って、「あっぱれ!」と言わせる日が来るかもしれない。
打者の大目標が「2000本安打」だとすると、投手は「200勝」だった。ともに「名球会」の入会基準でもある。ただこちらは、当面、達成者が出そうな気配はない。
NPB150勝を超えているのはヤクルトの石川ただ一人。
<現役のNPB勝利数5傑と年齢(5月7日時点)>
1 石川雅規(ヤ) 154勝/37歳
2 杉内俊哉(巨) 142勝/36歳
3 内海哲也(巨) 127勝/35歳
4 和田毅(SB) 124勝/36歳
5 涌井秀章(ロ) 119勝/30歳
150勝しているのは石川だけ。今季5月8日時点で2勝を挙げたが、あと46勝を挙げるころには40歳になっているだろう。松坂世代の杉内はここ2年、一軍では投げていない。内海は今季復活しているが、73勝は道遠しの感がある。同じく松坂世代の和田は昨年最多勝、今季も開幕投手になったが、今は故障中。この中で一番年齢が若い涌井に期待がかかるが、今年31歳で残り81勝はかなり苦しそうだ。