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強豪の激突、似た者同士の伏兵対決。
CLベスト8の4カードを大いに分析。

posted2017/04/10 07:00

 
強豪の激突、似た者同士の伏兵対決。CLベスト8の4カードを大いに分析。<Number Web> photograph by AFLO

輝きを放つビッグイアーをカーディフの地で掲げるのはどのクラブか。欧州最高峰の戦いがクライマックスを迎えようとしている。

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井川洋一

井川洋一Yoichi Igawa

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 歴史を塗り替えた大逆転劇、シンデレラボーイたちの蘇生、金星をまたひとつ積み上げた若手集団──。

 チャンピオンズリーグ(CL)ラウンド16は極上のドラマを用意して、多くのファンを楽しませた。最近、欧州ではフットボールのテレビ視聴者数が減少傾向にあると言われるが、そっぽを向き始めた人も振り返りそうな白熱した戦いが繰り広げられた。時差を超えてテレビ観戦した我々日本人ファンのなかには、思い切り眠気を吹き飛ばされた人も少なくなかったはずだ。

 その後に行われた準々決勝の組み合わせ抽選では、興味深い4つのカードが組まれた。

 それはビッグクラブの潰し合いと、それに準ずる似た者同士の対戦と、大きく線を引くことができる。ひとことで言うなら偏った4カードとなるが、その分、結果は読みにくい。今季も欧州トップ戦線のクライマックスまであと少し。まずはここらで、頂点を目指す8チームの現状を整理しておきたい。

バルサはサイドバックを削って中央を重視した。

<ユベントス対バルセロナ>

 一昨季の決勝の再現となる。その時はバルサが3-1の勝利を収め、5度目の欧州制覇を果たした。これにより就任一年目に3冠を成し遂げたルイス・エンリケ監督は先ごろ、今季かぎりの退任を表明して壊れかけたチームを再び団結させ、パリ・サンジェルマン戦では大会史上最大の逆転突破を達成した。

 奇跡を起こした主役は、最後の4得点を生み出したネイマールと言えるが、46歳のスペイン人指揮官も監督としてやるべきことを尽くしている。

 第1戦での大敗後、3バックの採用に踏み切り、国内で手応えをつかむと、第2戦でも同じ布陣を敷いた。サイドバックの適任がいないと批判されるなか、大胆にそのポジションを削って中央を重視。望み通りにパリ・サンジェルマンを圧倒し、空前絶後の結果を手にしたのだから、去りゆく指揮官も大いに称えられるべきだ。

【次ページ】 ユーベのダニエウ・アウベスは古巣と初対決。

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