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現ブラジル代表監督は史上最高?
大連勝でW杯の悪夢を払拭中。
text by
エリック・フロジオEric Frosio
photograph byThomas Santos/AGIF
posted2017/03/30 08:00
ロシアW杯予選において、4試合を残して大会出場を確定させたセレソン。チッチ監督の辣腕ぶりに、世界が驚愕した。
マンU、バルサ、レアル……ビッグクラブを見て学んだ。
――2014年にあなたは、監督の仕事を中断してヨーロッパに向かいました。監督としての哲学が進化していったのはこのときではないですか?
「その通りで、マンチェスター・シティ対バルセロナといったビッグゲームを見て回り、カルロス・ビアンキと長時間議論した。
レアル・マドリーではカルロ・アンチェロッティの了解を得て練習にも参加した。視察を終えて、私はより攻撃的なスタイルを目指すことを決意した。
古巣のコリンチャンスに復帰して、原点に帰りチームをよりスペクタクルにした」
――2016年にドゥンガの後を受けて代表監督に就任します。コリンチャンスのキャプテンだったパオロ・アンドレは、あなたのような誠実な人物が腐敗の蔓延るブラジルサッカー連盟の仕事をするのが残念でならないと述べています。
「オファーを受けたとき、私自身も懐疑的だった。だからブラジルサッカー連盟の考えがどこにあり、私にどれだけの自由が与えられるかを確認した。少々独善的ではあるが、私の夢を実現して、ほんの少しであれブラジルサッカーのレベル向上に貢献できるのではと思った」
重要な選手は、監督が直接口説いて代表に呼び戻した。
――就任して最初に実行したのがチアゴ・シウバを呼び戻すことでした。
「実現にあたり様々な障害があった。彼に電話をして力になってもらえるかどうか直接尋ねた。
『ぼくはまだ大丈夫。もっとやりたい』というのが答えで、『過去にはこだわっていないし、何も約束はできないが』と言ったら、どこかホッとした様子だった。マルセロとも同じように話をした」
――(パリSGで)マルキーニョスと一緒にプレーしているのは、現状ではミランダの控えに回っているチアゴ・シウバが、再びスタメンに復帰する助けになると思いますか?
「スタメンを得るためには強さが必要だ。私は選手たちに公正な競争を約束している。それが彼らの要求レベルを高め、ひいてはチームのレベルも高める。
そしてマルキーニョスは、五輪でとても印象深いパフォーマンスを見せて金メダルを獲得した。ただしスタメンは誰にも保障されていないし、スタメンであり続けるためにはそのレベルを維持し続けなければならない」