フランス・フットボール通信BACK NUMBER
現ブラジル代表監督は史上最高?
大連勝でW杯の悪夢を払拭中。
text by
エリック・フロジオEric Frosio
photograph byThomas Santos/AGIF
posted2017/03/30 08:00
ロシアW杯予選において、4試合を残して大会出場を確定させたセレソン。チッチ監督の辣腕ぶりに、世界が驚愕した。
「そこがメッシ、C・ロナウドとの違いだ」
――キャプテンの腕章をネイマールから取り上げたのは、あなたが下した最良の決断ではありませんか?
「私が奪ったのではなく、彼自身が決めたことだ。
五輪で金メダルを獲得して抱き合ったとき、彼は私にこう言った。
『プロフェッサー、僕はもうキャプテンをやりたくない』と。
『そうふくれっ面をするなよ』と応えると、笑い返してきたが気持ちは変わらなかった。
ネイマールは世界のトップ3に入る選手だが、いまだ頂点を極めてはいない。そこがリオネル・メッシ、クリスティアーノ・ロナウドとの違いだ。だが、まだ25歳だ。進歩の余地はたくさんある」
――最後の質問ですが、フランスサッカーをどう評価していますか?
「フランス人選手には、ブラジルとも共通するクリエイティブなDNAが体内に宿っている。ジネディーヌ・ジダンとジーコは、私がこれまでに見た最も魅力的で素晴らしい選手だ。彼らはどんなに複雑なことも単純化する。パスはまるで魔法だ。
若いころはミシェル・プラティニが好きで、1986年のメキシコワールドカップ準々決勝でブラジルはフランスに敗れたが、プラティニへの称賛を止められなかった。
'98年ワールドカップ決勝も、私はブラジルが敗れたのではなくフランスが勝ったのだと思っている。本当に素晴らしいチームだった。
私にとってフランスとブラジルは兄弟か従弟のようなもので、いずれにせよ同じ家族の一員だ」