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岡田彰布がセ・パの今季順位を予想。
名将の意外な高評価&低評価は? 

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岡田彰布

岡田彰布Akinobu Okada

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photograph byHideki Sugiyama

posted2016/03/24 11:00

岡田彰布がセ・パの今季順位を予想。名将の意外な高評価&低評価は?<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

昨季は2位に12ゲーム差をつけてリーグ2連覇、そして日本シリーズ連覇を決めたホークス。今年もヤクルトとの頂上対決になるのか?

世代交代進行中の中日がダークホースに。

 昨年5位と低迷した中日は、ベテランの和田一浩、小笠原道大、そして谷繁監督が選手を引退し、世代交代を一気に進めた。落合監督時代の中日には守り勝つイメージがあったが、昨年はチーム失策数94でリーグワースト、捕逸12もワーストタイと穴だらけだった。キャンプでは守備練習を徹底してやっていたが、その方向性は間違っていない。打撃は一朝一夕でどうにかなるものではないが、守備はやればやるだけ巧くなる。

 問題は投手陣だ。先発は二桁勝利を挙げた大野、若松が今年も軸になるだろうが、昨年は中継ぎ陣が崩れて落とす試合が目立った。昨年も競り負けたとはいえ、僅差のゲームが多かっただけに、リリーフ陣が踏ん張りを見せれば、戦力的にはバランスがとれたチームになる。ベテランが抜けた穴を埋めようと若手も必死になるはずだし、今季は上位にくい込む可能性はある。

金本阪神の打線はまだ育成に時間が必要。

 金本監督が就任した阪神は、4年ぶりに復帰した藤川球児がローテーションに入るなど、先発陣の頭数は揃っているが、貯金をどれだけ作れるか。クローザーの呉昇桓の代わりとなる新外国人マテオも、その実力は未知数だ。野手陣もドラ1ルーキーの高山俊、オープン戦で好調の横田慎太郎など、期待感を抱かせる若手の名前が出てきてはいるが、柱となる日本人打者が育つにはまだ時間が必要だ。

 昨年は最終戦を落とし、3位を阪神に譲った広島だが、エースのマエケンがメジャーに移籍してしまった今季はさらに苦しくなるだろう。先発に再転向すると見られていた大瀬良大地も故障で欠く。ジョンソンと黒田はある程度計算はできるが、ピッチャー陣のやり繰りには苦労するだろう。

 昨年、前半戦は快進撃を見せたDeNAだが、他チームの状況が極めて悪かったときにタイミング良く波に乗っただけ。後半戦の大失速を見ると、基本的なチーム力が不足しているのは明らかだ。ひと昔前に比べると、何かありそうな“雰囲気”は出てきたが、選手個々の状況判断のレベルなどを考えれば、6位の定位置からは脱せそうにない。

【次ページ】 ソフトバンクの牙城を揺るがすチームは……。

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