プレミアリーグの時間BACK NUMBER
プレミア4クラブのペップ争奪戦!
マンCのバルサ人脈が物を言うか。
text by
山中忍Shinobu Yamanaka
photograph byAFLO
posted2015/12/27 10:50
現役最高の監督という評価をほしいままにしているグアルディオラ。プレミア上陸の日は近い。
バルサ人脈を役員に据え、万全の体制。
だがマンCは、元バルセロナ役員のフェラン・ソリアーノとチキ・ベギリスタインを、それぞれCEOとフットボール・ディレクターに迎えた2012年の時点で、グアルディオラ就任へのレールを敷き始めたと言える。クラブが今季開幕前にペジェグリーニと結んだ新契約も、単に後任人事の噂がチームに悪影響を及ぼすことを避けるための手段。現監督はプレミア王座奪還とCL決勝進出の両立でもない限り、今季限りの運命と見られている。
一方、後を継いだ場合のグアルディオラには、プレミア最新の成り上りクラブを世界の強豪に進化させるという絶大なチャレンジが待ち受けている。既存戦力は既にプレミア随一のレベル。必要な補強をほどこす資金も潤沢。当人がチームに要求する緻密なレベルではないにしても、ペジェグリーニ体制下で攻撃的スタイルの大枠が出来上がってもいる。マンC経営陣が招聘レースでのリードに自信を持っていると言われるのも当然だ。
マンUでもファンハールへの期待感が低下中。
新任地の候補2番手は、この年の瀬に来て新監督の必要性が俄然高まった2チーム。
マンUはボーンマスとノリッチの昇格組に2連敗し、ルイス・ファンハール監督の年内解雇が現実味を帯びる事態となった。開幕17戦で8勝4敗5引分けの5位という結果は、最悪とまではいかないが、問題は試合内容。マンUの経営陣とファンにとってファンハールは、デイビッド・モイーズ前体制下で損なわれた攻撃的スタイルの伝統とイングランドの雄としての誇りを復元してくれるはずの人選だったのだから、指揮官を見る目は非常にシビアだ。
オランダ人監督が就任1年目に発揮した現実感覚は、トップ4返り咲きという成果で報われはした。だが2年目の今季も、指揮官がこだわるポゼッションは敵に攻めさせないためのボール支配。
マンUのファンは開幕後の約4カ月半で計6試合のスコアレスドローを目撃している。そのなかには、2部ミドルズブラとの一戦はPK戦によるリーグカップ敗退、PSV戦ではCLグループステージ敗退につながるホームでの90分間0-0が含まれている。