野球クロスロードBACK NUMBER
不調時の変わらぬ練習が貯金を作る。
山田&柳田、トリプルスリーの必然。
text by
田口元義Genki Taguchi
photograph byHideki Sugiyama
posted2015/12/08 10:40
柳田悠岐は今年、得点、塁打数、四球、打率、出塁率、長打率、OPSでリーグトップに輝いた。
キャンプでの貯金を使い果たす夏場こそ、練習を。
柳田はこう続けた。
「春のキャンプでしっかり体を作っても、そのくらいの時期になると貯金を使い果たしちゃうんで。だから、『そこで休んだらもったいない』って思ったんですよね。打てない時は何をやってもうまくいかないんで。ウェイトをやった次の日に筋肉痛で体が動かなくなっても、そこをなんとか耐えて続ければ貯金になるだろうって。結果的に、8月からはその貯金を使えましたからよかったっす」
8月に3割6分4厘、9月には3割9分5厘と、柳田の狙いは奏功した。「調子が戻ってきてからは、あんまやらないっす。ちょっと打てなくなったらやりますけどね。やっぱ練習は大事ですから」と彼は言う。
不調の時こそ自分をいじめ抜く――。類まれなセンスだけでは語れない山田と柳田の圧倒的なパフォーマンス、そして、トリプルスリーは必然だったのだ。