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マンUでくすぶるファルカオの苦悩。
「本物」の片鱗と、遠いゴール。 

text by

山中忍

山中忍Shinobu Yamanaka

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photograph byTomoki Momozono

posted2015/01/25 10:50

マンUでくすぶるファルカオの苦悩。「本物」の片鱗と、遠いゴール。<Number Web> photograph by Tomoki Momozono

ゴールを決め続けていた数年間の存在感をいまだ取り戻せずにいるファルカオ。両足、そして頭でも決められるストライカーが覚醒するのをマンチェスターのファンは待っている。

「本物」の片鱗は見せつつある。

 後十字靭帯の手術から1年。常識的に考えれば、怪我を克服してフィットネスも取り戻しているはずのファルカオが、普通の力、つまりトップクラスの実力を発揮しはじめてもよい時期だ。

 QPR戦で結果的には無得点に終わった本人が、「自分にとっては大事な90分間だった」と言っているように、先発を続けてリズムに乗ることができれば、パフォーマンスレベルは上がることはあっても下がることはないように思える。「本物」の片鱗は窺わせている28歳に「まとまった時間」を与えてからでも、買取りの是非を決めるのは遅くないとする意見がマンUファンの1人からメディアに寄せられていた。

 幸い、単刀直入に物を言う指揮官は「得点を上げているべきだった」とする一方で、「チームの攻撃をよくリードしていた」とも語っている。CLやELの舞台には立てない今季のマンUでは、ファルカオが完全移籍をアピールする舞台がリーグ戦にほぼ限られる。残るは1月31日の第23節レスター戦からの16試合。前回対決でもゴールに迫った相手との一戦から、最大でも16回限定となるプレミアでのファルカオ復活劇を見守ることにしよう。マンUの攻撃に覇気が足りない試合では、心の中で「ファルカオ! ファルカオ! ファルカオ!」と連呼しながら。

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