あらためて沖縄について考えさせられた夏の甲子園。

◆1位　興南高、春夏甲子園大会連覇

　'10年の高校野球界は沖縄・興南高一色に染まった。

　エース・島袋洋奨がよかったのは言わずもがな。6試合・51回投げて、47安打、53三振、16四死球、11自責点、防御率1.94。内角低めに決まるストレートは芸術的と言っても過言ではなかった。しかし、それよりも魅了されたのが興南打線のミートポイントである。

「ベース上」という表現がよく聞かれたが、「ベースのキャッチャー寄り」くらいのところでボールをミートしているように見えた。我如古盛次（三塁手）が興南の象徴的バッターだと思っているが、取材で訪れた伊志嶺翔大（東海大→ロッテ）は「国吉大陸（二塁手）が一番キャッチャー寄りでボールを捉えているように見えました」と話してくれた。とにかく、衝撃的なバッティングを沖縄球児は見せてくれた。これからの高校球界をリードするのは沖縄かもしれない。

　なお、プロ野球10大ニュースは以下のように選んだ。

   【1】  ロッテ、リーグ3位から日本一（史上最大の下剋上）
   【2】  前田健太、投手三冠獲得して沢村賞
   【3】  交流戦でパ・リーグ圧勝
   【4】  マートン、イチローを抜くシーズン214安打（200安打以上3人）
   【5】  中日、優勝して9年連続Aクラス入り（過去9年間では12球団最長）
   【6】  ダルビッシュ有、4年連続防御率1点台（'56～'59年の稲尾和久以来、史上3人目）
   【7】  T-岡田、本塁打王に輝く（若手スラッガー台頭の気配）
   【8】  ヤクルト、借金19から監督交代で貯金4に
   【9】  岩隈久志、年俸で折り合わずポスティングでのメジャー移籍ならず
   【10】  二冠王（本塁打、打点）のラミレス、ベストナインを逃す
       （打高投低の象徴的出来事→飛ばないボールを'11年度から導入）