プレミアリーグの時間BACK NUMBER
モイーズ&香川、モウリーニョ……。
プレミアリーグ開幕、見所完全紹介。
text by
山中忍Shinobu Yamanaka
photograph byREUTERS/AFLO
posted2013/08/15 08:01
コミュニティシールドで、ウィガンと対戦したマンU。香川真司は83分にウェルベックと交代出場した。ルーニーを欠いたこの試合は、2-0でマンUが勝ち、今季初タイトルの獲得となった。
スタイルを激変させたモウリーニョの新戦略とは?
昨季3位のチェルシーでは、ジョゼ・モウリーニョが監督に復帰した。
「優勝請負人」は、若く攻撃的なチームを作り、長期繁栄の基盤を築くという、これまでの彼のスタイルとは異なる目標を掲げて2度目の指揮に当たる。
開幕前の見通しは良好。フアン・マタ、エデン・アザール、オスカルの2列目トリオには、レンタルから戻ったケビン・デブライネと、新加入のアンドレ・シュールレという、20代前半の持ち駒を追加。ダブルボランチの一角にも、マルコ・ファンヒンケルという20歳の即戦力を得た。
その一方では、CBのジョン・テリー、今やボランチのフランク・ランパードらのベテラン数名が、モウリーニョに「獣のような貪欲さ」と目を見張らせるほどのモチベーションの高さを見せているという。
残るは1トップの補強。
指揮官は、レンタル帰りのロメル・ルカクを「一人前」と評し、フェルナンド・トーレスには「裏に抜ける持ち味を生かす」と蘇生案を口にしているが、「唯一望みの新FW」と認めたルーニーを手に入れれば、優勝最右翼と目されても不思議ではない。
大型補強のはずが大ハズレ。ベンゲルの解任騒動も再燃か。
アーセナル、トッテナム、リバプールの3チームは、開幕を前に優勝戦線から遠ざかった感がある。
アーセナルは、ゴンサロ・イグアインを、移籍金を弾んだナポリにさらわれ、続くルイス・スアレスの獲得商談でも、煮え切らない金額提示でリバプールの顰蹙を買い、売却拒否の決意を強めさせた。今夏は、アーセン・ベンゲル監督自ら、大物獲得の必要性を認め、経営陣も「大型補強予算」を公言していた。ところが、開幕2週間前のエミレーツカップのピッチに、新戦力はフランスU-21代表FWのヤヤ・サノゴのみ。ファンの不満と不信が高まっても無理はない。
FW獲得の優先で、中盤と最終ラインの補強は手つかずのまま。エミレーツ・スタジアムでは、プレシーズン中のホーム初戦ハーフタイムにして、ブーイングが聞かれた。横ばいの戦力で4位死守は可能だが、昨季が過去最高と思われたベンゲルへの退任要求は、更に高まることになりかねない。