プレミアリーグの時間BACK NUMBER
モイーズ&香川、モウリーニョ……。
プレミアリーグ開幕、見所完全紹介。
text by
山中忍Shinobu Yamanaka
photograph byREUTERS/AFLO
posted2013/08/15 08:01
コミュニティシールドで、ウィガンと対戦したマンU。香川真司は83分にウェルベックと交代出場した。ルーニーを欠いたこの試合は、2-0でマンUが勝ち、今季初タイトルの獲得となった。
スアレス次第のリバプール。順位を落とす可能性も!?
リバプールは、もしも、土壇場でアーセナルとの商談に応じれば、4位争い参戦もおぼつかない。
スアレスへの依存度は、あのスティーブン・ジェラードへの依存度をも上回るが、ヨーロッパリーグにさえ出場できないクラブが、残り半月ほどの移籍市場で、ワールドクラスの代役を手に入れることはまず不可能だ。
残留を強いたとしても、当人のモチベーションが問題だ。CL出場を逃せば移籍を認めるとの約束を反故にしたとして、クラブを非難してまでアーセナル入りを訴えたスアレスが、果たして、再びリバプールの一員に成り切れるかどうか。当人は、昨季終盤の噛み付き行為に対する、10試合出場停止処分が今季にまで持ち越され、10月までは練習だけの悶々とした日々を送るとなれば、事は更に微妙だ。2年目のブレンダン・ロジャーズ監督は、スペインからイアゴ・アスパスとルイス・アルベルトという万能型FW2名を獲得し、ショートパス主体のスタイルへの移行を進めているが、一大得点源の本領発揮がなければ6位が精一杯かもしれない。
ベイルがいなくても……昨季同様に戦えるはずのトッテナム。
トッテナムも、レアル・マドリー入りを望むギャレス・ベイルの「ワンマン・チーム」と言われていた。但し、離脱時の被害はリバプールほどではないと考えられる。理由の1つは、レアルからの140億円前後の収入。スアレス2人分の移籍金は、トッテナムのファンでさえ断る手はないと思わざるを得ない、移籍市場の過去最高額だ。ルカ・モドリッチという、元トッテナムの実力者を金銭との抱き合わせで手に入れる線も消えてはいない。
また、アンドレ・ビラスボアス監督が、昨季途中でベイルのトップ下起用に至った背景には、新プレーメイカー候補の不発もあった。ムサ・デンベレが怪我で出遅れ、クリント・デンプシーは期待外れだった。今季は、そのデンベレがプレシーズンを消化。デンプシーがMLSに去った代わり、攻守両用のセンターハーフとしてパウリーニョ、FW兼ウィンガーとしてナセル・シャドリを加えた。前線にも、スペイン代表FWのロベルト・ソルダードを獲得。ベイルが残れば優勝争いも現実的だが、ベイルが去っても昨季と同様に4位を争うチーム力はある。