プレミアリーグの時間BACK NUMBER
モイーズ&香川、モウリーニョ……。
プレミアリーグ開幕、見所完全紹介。
text by
山中忍Shinobu Yamanaka
photograph byREUTERS/AFLO
posted2013/08/15 08:01
コミュニティシールドで、ウィガンと対戦したマンU。香川真司は83分にウェルベックと交代出場した。ルーニーを欠いたこの試合は、2-0でマンUが勝ち、今季初タイトルの獲得となった。
ラウドルップ監督率いるスウォンジーは上位進出狙う!
エバートンは、前監督による主力2名の引抜き阻止と、ロベルト・マルティネス新監督による3バック制導入への順応が6位キープの前提となる。
スウォンジーは、守備の要アシュリー・ウィリアムズを、アーセナルの新CBとして取られなければ昨季9位からの上昇も可能。ミカエル・ラウドルップ監督は、ヘッドハントや辞任が噂されたが残留を決め、昨季リーグカップ王者の士気は萎えていない。クラブ史上最高の20億円弱で獲得した、コートジボワール代表FWウィルフリード・ボニーと、昨季プレミア最大の「お買い得商品」、ミチュとのコンビが楽しみだ。
2年連続でトップ10入りを果たしたウェストブロムウィッチも上位維持は可能。ルカクがチェルシーに戻った最前線には、経験豊富なニコラ・アネルカを呼び寄せた。
吉田率いる最終ラインに失点数削減が求められるサウサンプトン。
第3グループは7チーム構成と見る。
ニューカッスルは、元監督のジョー・キニアのフットボール・ディレクター就任で、アラン・パーデュー監督の立場が危ういとも言われる。しかし、今夏にフランス代表FWのロイク・レミをレンタルで獲得し、今冬から急増し続ける同国系戦力が実力を発揮すれば、無難な中位は堅い。
7月に米国資本の手に渡ったフルアムでも、マルティン・ヨル監督の今後が微妙。とはいえ、ディミタール・ベルバトフとブライアン・ルイスにアデル・ターラブトを加えた、ヨルお気に入りの前線3名は、波長さえ合えば魅力抜群の技巧派トリオだ。
対照的にウェストハムでは、「縦1本」を厭わないサム・アラダイス監督が、空中戦で圧倒的な強さを誇るアンディ・キャロルを、リバプールから完全移籍で手に入れている。
昨季途中から、マウリシオ・ポチェッティーノ監督の下でプレッシング・サッカー路線を歩むサウサンプトンは、中盤にビクトル・ワニャマという新たな動力源を追加。もっとも、昨季の14位を上回るには吉田麻也が定着に成功した最終ラインが、失点数削減に努める必要がある。
逆に、ノリッチが上位を目指すには、クリス・ヒュートン監督に対して慎重すぎる姿勢の緩和が求められる。
アストン・ビラは、ポール・ランバート監督の下で若返りが進行中。中盤に移籍金15億円台の清武弘嗣を加えるには、財布の紐が固いアメリカ人オーナーに、清水の舞台から飛び降りる覚悟が必要だ。登り調子で昨季を終えたこのチームは、リーグ戦19得点だったクリスティアン・ベンテケの流失を避けた。残留争いの泥沼も避けられそうだ。昨季17位のサンダーランドは、終盤の就任で降格回避を実現したパオロ・ディカーニオ監督が、新戦力9名を迎える梃入れぶり。前線には、ユベントスからエマヌエレ・ジャッケリーニが加わるなど、昨季末に生まれた高揚感が保たれている。