野次馬ライトスタンドBACK NUMBER
MLBマニアの外国人助っ人総チェック!
~濃厚なクセ者ぞろいのセ・リーグ編~
text by
村瀬秀信Hidenobu Murase
photograph byKyodo News
posted2013/03/12 10:30
ロッテとのオープン戦で無死一塁からバント安打を決め、自らセーフをアピールするDeNAのナイジャー・モーガン。
3月中旬、WBC真っ盛りのこの時節柄。
国民の関心事は対戦国の未知なるパワーを秘めた外国人選手であることは百も承知ながら、今回も前回に引き続き稀代のMLB好事家3名を招いての「2013年の新外国人選手トリプルクロスカウンターレビュー」です。申し訳ない。
今回はセ・リーグ編でありますが、その前に。前回の入稿後に新たに北海道日本ハムが獲得した新外国人選手からはじめさせていただきます。それではどうぞ。
キューバ出身の謎多き“小型タイロン・ウッズ”。
●ミチェル・アブレイユ(北海道日本ハム) 内野手
Tessy 「つい先日獲得が決まった選手です。今、WBCで話題になっているキューバの選手みたいですけど……僕は知らないですね。栗山監督は小型タイロン・ウッズと言ってますけど……謎の多い選手です」
Tomo 「彼の経歴にはちょっといざこざがありまして。キューバ出身で代表にも選ばれた経験を持ちますが、'04年に米国へ亡命しています。そこでボストンが契約しようとしたのですが、年齢が特定出来ないという理由で断念したんですね。その後は'06年にメッツと契約してマイナーにいましたが、メジャーに昇格することは叶わず。最近の3年間はメキシカンリーグの方でプレーしていました」
Toyo 「僕、日本で見たことありますよ。ナショナルチームの一員として来日していました。長打を生み出すキューバらしい豪快なスイングをしますが、その割に柔らかくて上手いバッティングをするという印象でしたね」
Tomo 「長打力はあるけど、足が遅くて太っちょ。メキシカンリーグでは打ちまくりまして、昨年はMVPにも選ばれています。しかも、荒れ球のメキシカンリーグでもしっかり四球を選べていましたから、日本でも辛抱強く打席に立てる“かも”しれませんね」
Toyo 「キューバ時代は木製バットになってからもホームラン王になっていますよね。でも、守備が一塁しかできない。当時の代表では、ファーストのレギュラーがあのキンデランですよ。確か、キンデランが代表を引退後、一塁手のレギュラー争いでケンドリー・モラレス(エンゼルス→マリナーズ)に敗れてしまい、そのことに落胆して亡命に走ったんだと思います」
Tessy 「キューバの打者は、中日に来たリナレスもそうだったけど30代なかばで急激に衰える選手が多いですからね。ボストンと契約できなかった2年間が悔やまれますよ。“年齢が特定できないから”って理由がまた切ない」
Toyo 「キューバの選手は戸籍が怪しいですからねぇ。その間、一旦メキシコに渡ったりしたりもしていて、契約トラブルの続出もあって、プレーに随分ブランクが空いちゃって力を落としてしまったんですよ。でも去年一昨年のメキシコでの活躍を見たら、意外に戦力になるかもです。でも、一塁かDHしかできませんけど」
★ミチェル・アブレイユ注目ポイント「選球眼も良い小型タイロン。レギュラー争いに敗れた後のケア」