三塁手は松田で文句なし。候補者の多い遊撃手は？

　二塁手は田中賢介（日本ハム）がメジャー挑戦を表明して絶対的な本命がいなくなった。実績なら本多雄一（ソフトバンク）だが、打率.246、OPS.593では選びにくい。片岡易之（西武）、後藤光尊（オリックス）、荒木雅博（中日）、平野恵一（阪神）も軒並み、今季成績が急降下した。そんな中で井口資仁（ロッテ）は打撃成績が安定し、メジャーリーグで活躍した実績があり、国際大会に気後れしない強みがあるので選出した。

　三塁手は松田宣浩（ソフトバンク）が攻撃力、守備力の安定感で文句なし。控え候補は堂林翔太（広島）、村田修一（巨人）を考えたが、攻撃、守備面とも不安要素が多く、最終的に落とした。

　遊撃手は候補者が多い中で、打撃面の安定感で坂本勇人（巨人）、鳥谷敬（阪神）を選び、内野全ポジションをフォローする前回の川崎宗則（元マリナーズ）的な役割を井端弘和（中日）に託した。

指名打者には、怪我の中村剛也を諦めT-岡田を。

　外野手は守りに難のある選手が全体的に少なく、選びやすかった。数少ない長距離砲の中田翔（日本ハム）は文句なし。外国の投手に力負けしないバッティングが期待できる糸井嘉男（日本ハム）、長野久義（巨人）、さらに俊足と好守が際立つ大島洋平（中日）、秋山翔吾（西武）も選出してバランスを取った。

　指名打者は中村剛也（西武）しかいない、と言いたいところだが、左膝の故障からWBCの出場は極めて厳しいと言われる中、T-岡田（オリックス）の名前を挙げたい。得点力が慢性的に不足している日本チームにあって、今季は10本塁打に終わったものの、'10年に33本塁打を放ちタイトルを獲得した長打力は魅力的だ。守備力の不安も、DHであれば問題ない。

左右のバランスを考えた9人のオーダー。

　打順を組んでみよう。

1番　糸井嘉男（日本ハム・右翼手）
2番　坂本勇人（巨人・遊撃手）
3番　内川聖一（ソフトバンク・一塁手）
4番　阿部慎之助（巨人・捕手）
5番　中田翔　（日本ハム・左翼手）
6番　T-岡田　　（オリックス・指名打者）
7番　長野久義（巨人・中堅手）
8番　松田宣浩（ソフトバンク・三塁手）
9番　井口資仁（ロッテ・二塁手）

　'09年大会では、野手15人のなかで、阿部、岩村明憲、小笠原道大、川崎宗則、福留孝介、青木宣親、亀井義行、稲葉篤紀、イチローと9人が左打ちで左右のバランスを欠いた。その結果、奉重根、柳賢振という韓国が誇る左腕を打ちあぐねたが、この私案では15人中左打者は6人だけなので、左対左の不利に泣かされることはない。

　投手は奪三振率と与四死球率を重視した。一流の数字は奪三振率7以上、与四死球率3未満で、この2つを満たしたのは今シーズン先発で投げた主な投手の中では、杉内俊哉（巨人）、前田健太（広島）、能見篤史（阪神）、攝津正（ソフトバンク）、田中将大（楽天）の5人だけだ。

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