パ・リーグ勢は競合を承知の上で大谷に指名が集中か？

●日本ハム……大谷翔平（投手・花巻東）

　1位重複指名が2番目に多い日本ハムのターゲットは、4球団以上の重複が予想されている大谷翔平。大型投手の育成はダルビッシュ有（レンジャーズ）を日本のエースに育て上げているので自信がある。

●西武……大谷翔平（投手・花巻東）

　花巻東出身の菊池雄星を獲得していることを逆風と見るか順風と見るかで変わってくる。気になるのは1位重複が広島と並んで少ないこと。補充したいのは涌井秀章が先発に戻った場合、手薄になるリリーフ投手。福谷浩司、三嶋一輝、則本昂大も候補になる。

●ソフトバンク……大谷翔平（投手・花巻東）

　和田毅、杉内俊哉、ホールトンが抜けるのがわかっていても高校生の武田翔太を入札した球団である。即戦力より将来性に目を向けているはずだ。候補は大谷と藤浪の超高校右腕2人。早い段階から名前が出ていたのは大谷のほう。

●楽天……大谷翔平（投手・花巻東）

　1位指名の重複が最も多いのが楽天。さらに、最も多くの入札が予想されているのが楽天の地元・東北地区の大谷。以上のことから大谷の入札が確実視されている。

●ロッテ……東浜巨（投手・亜細亜大）

　1位指名の重複5人は広島、西武に次ぐ少なさ。ただ10、11年は斎藤佑樹、藤岡貴裕を重複覚悟で入札し、藤岡を獲得している。またロッテは近年、高校生投手をまったく指名していない。そういう状況を考え合わせると即戦力候補ナンバーワン、東浜の名前が自然と出てくるのである。

●オリックス……藤浪晋太郎（投手・大阪桐蔭）

　阪神と並んで高校生の育成がへたな球団だが、岡田彰布前監督になって高校卒選手の早い抜擢が目立ち、T-岡田、西勇輝が一本立ちした。この路線が新監督に踏襲されるかどうかに注目したい。

　以上の結果、1位入札候補は大谷、藤浪、東浜、菅野、福谷の5人になった。

　ただ、重複を嫌う球団が必ず出てくるので、5人以外が入札される可能性も十分ある。秋の充実ぶりを考えれば、ここまで何回も名前が出てきた三嶋一輝（法政大）、則本昂大（三重中京大）という大学生右腕から目が離せない。2人とも150キロを超える快速球とスライダーを持ち球にし、プロ野球界が待望するリリーフ投手の素質を秘めている。