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リーグ3位からの下剋上なるか?
ソフトバンク、CS突破の3つの条件。
text by
田口元義Genki Taguchi
photograph byNIKKAN SPORTS
posted2012/10/17 11:55
リリーフとしての活躍となると、9月18日の西武戦から5試合連続、13イニングを無失点継続中という活躍ぶりを見せている岩嵜。
パ・リーグ頂上決戦となる、日本ハム対ソフトバンクのクライマックスシリーズ(以下CS)ファイナルステージでの下馬評は、「日本ハム有利」。そんな声が多いはずだ。
10月2日まで熾烈な優勝争いを繰り広げ、9日までレギュラーシーズンを戦った。その後は、宮崎でのフェニックスリーグなどで調整を行っていたため実戦感覚は問題ない。
戦力を見ても、投手は吉川光夫、武田勝の二枚看板に駒が揃い、増井浩俊、宮西尚生、武田久など豪華リリーフ陣もいる。打線にしても、故障の田中賢介を除けばベストメンバーと言える。
もちろん、1位通過チームに与えられる1勝のホームアドバンテージ、それに初戦からエースを投入できることも大きい。
だからといって、ソフトバンクはそう簡単には勝たせてはくれないだろう。それどころか、勝利すら予感させる。
そんな試合を、ソフトバンクは西武とのファーストステージで披露していた。
ソフトバンクが下剋上を遂げるための、3つの条件とは?
初戦、9回無死満塁の大ピンチを1失点で切り抜け2対1で勝利したかと思えば、第2戦では3回に一挙7点を奪われるなど0対8の大敗。しかし、第3戦では3対2と再び1点差で勝利し、ファイナルステージへの切符を手に入れた。
なんとも不思議な戦いぶりだ。この3試合を振り返れば、良く言えば「粘り強い」。悪く言えば「不安定な戦い」となるだろう。
だが実際には、3戦すべてが日本ハムを攻略するためには欠かせないゲームとなった。
日本ハムを叩くためには不可欠な要素。それは、大きく3つ挙げられる。
ひとつ目はロングリリーフの存在だ。
ファイナルステージ第1戦は、陽耀勲と吉川の投げ合いとなる。今季9試合しか登板していない陽と、最優秀防御率に輝くなどチームの絶対的な柱となった吉川とでは力の差は歴然。何より陽の完投はわずか1。他のゲームでも5回前後でマウンドを降りているため、終盤まで投げるとは考えづらい。
となるともうひとり、先発と同等の力を持つ投手が必要になる。ソフトバンクにとってその選手とは岩嵜翔だ。