関塚ジャパンの左サイドバックでは第一候補!?

　徳永はOAながら吉田のようにレギュラーが鉄板なわけではない。

　本職の右サイドバックには酒井宏樹がいるし、左サイドバックには酒井高徳、センターバックには山村和也、鈴木大輔がいる。しかしこの立場が、彼の心に火をつけているのも間違いない。

　NZ戦では持ち味である守備に重心を置きながらも、自分の攻撃の良さを出そうとした。

　選んでくれた指揮官の期待に応えたいという思い、ロンドンのピッチに立ちたいという思い、そして年長者としてチームを支えたいという思いが滲み出ていた。試合後、指揮官は徳永のパフォーマンスを高く評価した。

「思い切ったシュートや、トップとワンツーしながら右に切りこんだシーンとか思い切りの良さが出ていた。彼がそうすることによって、リスク管理はみんなでやる。そういった広がりを、みんなで分かってくれればいい。トゥーロン国際では左サイドをやられてしまったので、そこの安定感というのが（評価の）第一だとは思う」

　このコメントからも、現時点で左サイドバックの一番手になったことは間違いない。

　チームにとっては頼れる兄貴分的な存在。言葉が多いタイプではないが、徳永はミスで失点のきっかけをつくった村松大輔に「次だ、次」とさりげなく声をかけている。

五輪視察を予定しているザッケローニに対してアピールできるか？

　ロンドンの先にはブラジルがある。

　9月11日のアジア最終予選イラク戦（ホーム）では内田篤人が出場停止となり、右サイドバックの人選が注目されている。

　最近の流れで言えば酒井宏なのだろうが、少なくともNZ戦の出来だけで言えばチャンスでクロスをミスした酒井よりも、最終ラインに落ち着きをもたらし、そればかりでなく得点につなげた徳永のほうが光っていた。駒野友一を含めてライバルは多いが、ロンドンへ視察に訪れるアルベルト・ザッケローニの目に留まる活躍を見せることができれば、必ずやA代表への道は拓けるはずである。

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