NumberPREMIER ExBACK NUMBER
「最後の最後で迷惑をかけて」WBCで鈴木誠也に起きた“悲劇” メジャー5年目を前に語っていた覚悟とは…今永昇太も驚き「すごいっすよ。何がすごいかって…」
text by

笹田幸嗣Koji Sasada
photograph byNanae Suzuki
posted2026/04/01 17:00
WBCでは4試合に出場し2本塁打を放ったが、準々決勝のベネズエラ戦で負傷交代となった鈴木誠也
ライブBPで豪快弾にコーチ陣も「マジか」
2月14日、アリゾナ州メサ。
シカゴ・カブスのキャンプ地は、砂漠地特有の肌を刺すような強い日差しが照りつけ、日中の気温は28度に達しようとしていた。野手組キャンプインまで2日を残し、まだ自主トレの段階でありながら、鈴木は早くも投手を相手にした実戦的な打撃練習であるライブBPに臨んでいた。
そのマウンドには今永昇太が立っていた。初球は93マイル(約150km)の直球。この時期としては目を見張るスピードだ。外角高めに少し外れたボールを鈴木は平然と見送った。
ADVERTISEMENT
2球目、今度は82マイルのスライダーに鈴木の体が自然と反応した。甲高い音を残した打球は、左中間最深部のネットへと突き刺さる本塁打となった。キャンプイン前に主力投手を相手にライブBPを行うだけでも異例の早さの調整だが、その完璧なスイングでの豪快弾に唸らされた。
さらに驚かされたのはこの後だった。ベテラン救援右腕ジェーコブ・ウェブが投じた93マイルの直球に差し込まれたように見え、「グシャッ」という鈍い音が響いたが、体の中で捌いた打球は右中間フェンスをはるか高く越えていった。
「マジか」
見守ったコーチ陣が驚きの表情を浮かべる中、鈴木は表情ひとつ変えなかった。
打たれた今永昇太の驚き
この日、鈴木がライブBPで残した結果は3打数2安打2本塁打1三振。左中間と右中間へ運んだ本塁打はいずれも推定で130m級の特大本塁打だった。驚愕の打撃を見せた鈴木に、被弾した今永も目を丸くしていた。
「すごいっすよ。何がすごいかって、彼自身はいろんな変化をしていると思うんですけど、僕からしたら何も変わっていない。間の取り方とか、スイングの軌道とか、体の強さとか、独特のプル(引っ張り)の打球の角度とか、今日のホームランもそうですけど、日本とまったく変わってないというのがすごさだと思う。何も変わらずにアメリカで純粋に勝負しているところが、僕はすごいと思います」
その打撃の根幹は広島時代と何も変わらない。そこにメジャー流の打撃術を上乗せし、年を追うごとにバージョンアップしていく鈴木の姿を、今永は的確に分析していた。
2日後、キャンプインを迎えた鈴木はWBC1次ラウンド開幕まで約3週間となった時点で、自身の仕上がりについて語った。
【続きを読む】サブスク「NumberPREMIER」内「ケガだけはしないように」と繰り返していた鈴木誠也を襲った悲劇…本塁打王候補となったメジャー5季目を前に語っていた覚悟とは「やることは変わらない」で、こちらの記事の全文をお読みいただけます。
Number1140号「MLB開幕&WBC総集編 大谷翔平が世界を本気にさせた。」*書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

