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「今年はお役御免なんで(笑)」大谷翔平が語っていたWBC“ピッチャー回避”について「快く送り出してくれた球団(ドジャース)に対しての誠意じゃないかなと」
posted2026/04/02 17:04
今回のWBCではバッターに専念して臨んだドジャースの大谷翔平が語っていた“ピッチャー回避”の真意とは
text by

石田雄太Yuta Ishida
photograph by
Nanae Suzuki
発売中のNumber1140号に掲載の[WBCドキュメント]大谷翔平「敗れてもなお」より内容を一部抜粋してお届けします。
大谷翔平が語っていたWBC“ピッチャー回避”
2月26日、大谷翔平が名古屋で日本代表に合流したとき、キャッチャーの中村悠平は開口一番、こう言って大谷を出迎えた。
「スイーパー、捕れますよ!」
すると大谷は、こう即答する。
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「いや、今年はお役御免なんで……(笑)」
3年前のWBC、アメリカとの決勝戦で大谷とバッテリーを組んでいたのが中村だった。しかし中村はあの時点で一度も大谷の球を受けたことがなかった。試合だけでなくブルペンでも大谷の投げる球を捕ったことがなかったのだ。WBCの決勝で1点差の9回表、グラブで口元を隠した大谷は中村に「大丈夫ですよねー」と言った。そのときの意図を大谷はこう説明している。
「今、思えば中村さんに失礼だったと思うんですけど(笑)、日本には90マイルで大きく曲がるスイーパーを投げるピッチャーがいないと聞いていたので、単純に中村さんが捕れるかなと確認したくて……」
3年も経って、まさかの大谷の意図を聞かされた中村はやけに嬉しそうだった。
「確かにそうやって訊かれました。だから『だ、だ、大丈夫』みたいな感じで答えて……そうか、オレ、試されてたんだ(笑)」
だから『スイーパー、捕れますよ』が“世界一バッテリー”の3年ぶりの再会を和ませるネタとなったのだ。しかし大谷は今回のWBCでは登板予定がないことを踏まえて「お役御免」と中村に伝えた。大谷はピッチャー回避についてこう話している。
「今回はバッターだけでもいいというスタンスで(日本代表に)招集してもらったので、ピッチャーとしてどうするかというところはギリギリまで決めないパターンもあるかもしれません。もし両方やって、ということだったら、出場を決めるまでにもう少し時間がかかっていたと思います」
「オフェンス面でしっかり貢献できればいい」
バッターだけで、ピッチャーとしては投げることはない。その意志は大会期間中の大谷のこんな言葉からも見て取れる。
「今のところ(登板は)ないですね。それが球団との約束でもありますし、快く送り出してくれた球団に対しての誠意じゃないかなという部分はあるので、オフェンス面でしっかり貢献できればいいと思います」

