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「100億円ももらったら、どう変わりますか?」菊池雄星は侍ジャパン後輩たちの“ド直球”質問にどう答えた?「昔の自分を見ているようで可愛かった」

posted2026/04/01 17:02

 
「100億円ももらったら、どう変わりますか?」菊池雄星は侍ジャパン後輩たちの“ド直球”質問にどう答えた?「昔の自分を見ているようで可愛かった」<Number Web> photograph by Yukihito Taguchi

メジャー8年目、34歳にして初めてWBCに出場した菊池雄星が侍ジャパンで感じた変化とは?

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小西慶三

小西慶三Keizo Konishi

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Yukihito Taguchi

 メジャー8年目、34歳にして初めてWBCに出場。かねてから日本の投手たちの現状に関心を抱いていたベテラン左腕が、後輩に伝えたこと、感じたこととは。
 発売中のNumber1140号に掲載の[特別インタビュー]菊池雄星「メジャーに追いつくために」より内容を一部抜粋してお届けします。

菊池雄星が日本代表で感じた“最大の変化”

 第6回WBCが終わった。日本代表はベネズエラに準々決勝で敗れ、連覇は果たせなかったが、初めてJAPANのユニホームで戦った菊池雄星(エンゼルス)には約3週間の代表経験でいくつかの発見があった。埼玉西武ライオンズで9年プレーしたあと、メジャーリーグで今季8年目を迎えたサウスポーの、若き日本代表たちに対する観察が興味深かった。

 菊池が感じた最大の変化は後輩たちのモチベーションだ。

「ピッチャーに関してはもう100%、全員がメジャーに行きたいと思っている。『いつか行きたい』とか『行けたら行きたい』じゃなくて、みんなが『メジャーに行きたい。そのためにどうすればいいですか』という状況でした。それが8年前、僕が日本にいた頃と一番変わったところじゃないですか」

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 MLBが彼らを惹きつける理由はプロアスリートとしての待遇、つまり高い報酬だ。「『百何億円ももらったら物欲や野球への取り組み方がどう変わりますか』とみんなが聞いてきた」

 そんなド直球質問にどう答えたのか。菊池は懐かしそうに「昔の自分を見ているようで、すごく可愛かったですね」と笑った。

「僕も10年前はたくさんお金をもらいたいとか、そうなったらどんな生活ができるんだろうとか、いわゆる野心がたくさんありました。だからそんな質問には『(お金が欲しいなら)それでいいんじゃないか』って話しましたね。で、実際にお金をもらえるようになってみてモチベーションがどうなったか。僕の場合はむしろ上には上がいると気付いて、もっと野球が上手くなりたい、という気持ちが強くなりましたから」

「選手のパフォーマンスが良くなることが大事」

 近年の米球界では科学的トレーニングの普及や現場関係者、選手自身の意識改革などもあり、投手の平均球速が大幅に向上した。菊池は代表メンバーらとの交流から球速を上げたり、変化球を修得する技術が日本球界でも確実に上がっていることを改めて認識したという。

「8年前の僕は、自分たちで自主トレをして、先輩から技術を教わるような感じでした。でも、今は各選手が個人で雇ったスキル(技術)コーチから教えてもらうやり方が浸透している。WBCメンバーもほとんどが、フォーム作りを外部の方を雇って教えてもらっていました。どうすれば球が速くなるか、どうすれば自分のイメージした変化球が投げられるようになるかが分かってきて、それを専門に教える仕事も確立されています。打撃、投球、それぞれのスキルに関してはどんどん洗練されてきています」

【次ページ】 メジャーの専門家活用スタイル

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