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「大谷翔平育成+WBC優勝」栗山英樹が野球殿堂のウラで…石井琢朗も井口資仁も小笠原道大も柴田勲も“殿堂入り逃すかも”大選手が多すぎ問題
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広尾晃Kou Hiroo
photograph byJIJI PRESS
posted2026/01/21 17:00
野球殿堂入りが決まった栗山英樹氏
2012年から日本ハムの監督になり、このオフに大谷翔平をドラフトで強行指名。企画書を作成してMLB志望の大谷を翻意させる。大谷は「二刀流」として2016年にはMVPを取る活躍。栗山英樹は2021年で退任したが、2023年の第5回WBCでは監督として侍ジャパンを率い、3度目の世界一になる。
栗山英樹の事績は「記憶に新しい」ことばかりだ。監督就任は14年前、退団は4年前、WBCでの名采配は3年前のことなのだ。
わずか4年で急速に順位アップ→殿堂入り
そして、殿堂入り候補に入ったのも2023年だ。カッコ内は得票率。
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23年 12位:24票(15.6%)
24年 3位:62票(42.2%)
25年 2位:85票(58.6%)
26年 1位:114票(76%)
わずか4年で、急速に順位を伸ばし、殿堂入りを果たした。殿堂入り投票は発表前年に行われる。2023年WBCでの侍ジャパンの快挙を受けて、24年の得票が大幅に増加したのは間違いないところだろう。
栗山のように、現役時代の成績が今一つで、主として監督としての実績で殿堂入りした野球人は過去にもいる。試合数が少なかった戦前、1リーグ時代の野球人を除いても、以下の3人が挙げられる。年齢は表彰時。
西本幸雄(1988年競技者表彰:68歳)
選手 6年491試合276安打6本塁打99打点44盗塁 打率.244
監督 20年1384勝1163敗118分 勝率.543 リーグ優勝8回
根本陸夫(2001年競技者表彰:故人)
選手 4年186試合70安打2本塁打23打点4盗塁 打率.189
監督 11年598勝687敗66分 勝率.465
上田利治(2003年競技者表彰:66歳)
選手 3年122試合56安打2本塁打17打点5盗塁 打率.218
監督 20年1322勝1136敗116分 勝率.538 リーグ優勝5回、日本一3回
西本、上田は「大監督」といって良い成績を残している。根本は在任中の11年で10回Bクラスだったが、西武ライオンズ、ダイエーホークスのチームの基礎を築いたGM的な役割が評価されたものだ。
栗山は監督としての在任期間は、西本、上田よりもはるかに短いし、勝率も辛うじて勝ち越している程度。表彰時の年齢は栗山が64歳、西本68歳、上田66歳と最も若い。
端的に言えば、栗山の殿堂入りは2023年WBCでの監督としての功績、さらに言えば大谷翔平が「世界最高の野球選手」になるうえで「二刀流」を示唆したという、決定的な役割を評価されたということだろう。
川相は資格喪失…石井、井口、小笠原に小久保も
こうしたこれまでない「価値基準」での殿堂入りは、今後もあるだろう。
しかし一方で、殿堂入りしてもおかしくない大選手が「在庫」のように積みあがる傾向は、近年ますます深刻化している。とりわけ「打者」である。

