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「大谷翔平育成+WBC優勝」栗山英樹が野球殿堂のウラで…石井琢朗も井口資仁も小笠原道大も柴田勲も“殿堂入り逃すかも”大選手が多すぎ問題
text by

広尾晃Kou Hiroo
photograph byJIJI PRESS
posted2026/01/21 17:00
野球殿堂入りが決まった栗山英樹氏
今年のプレーヤー表彰候補者の中で、2000本安打以上(日米通算含む)の打者は10人いる。2025年の満年齢、得票と得票率(現役時代の成績)。
【プレーヤー表彰(10人)】
2位:宮本慎也55歳/232票(68%)2133安打
3位:松井稼頭央50歳/222票(65.1%)2705安打(N2090,M615/MVP1安2盗3)
7位:阿部慎之助46歳/85票(24.9%)2132安打(MVP1首1点1)
10位:石井琢朗55歳/70票(20.5%)2432安打(安2盗4)
12位:井口資仁51歳/56票(16.4%)2254安打(N1760,M494/盗2)
13位:稲葉篤紀53歳/55票(16.1%)2167安打(安1首1)
14位:小笠原道大52歳/47票(13.8%)2120安打(MVP2安1本1点2首2)
15位:前田智徳54歳/42票(12.3%)2119安打
17位:新井貴浩48歳/24票(7%)2203安打(MVP1本1点1)
17位:小久保裕紀54歳/24票(7%)2041安打(本1点1)
プレーヤー表彰では、川相昌弘が2票差で選ばれず、15年目だったので今年で資格を失った。川相の通算成績は1199安打43本塁打322打点47盗塁、打率.266だが、犠打数533が、MLBのエディ・コリンズの512を抜いて「世界一」ということで、有力候補になった。しかし「犠打」は、安打などと異なり、自分の意志というよりベンチのサインですることが多い記録だ。確かに技術は必要だが、増やそうと思えば、自身の判断に加えてチーム戦略でも増やすことが比較的容易だ。
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プレーヤー表彰で、2000本をクリアしている10人の打者の中には、MVP2回の小笠原道大もいるが、彼の得票率は13.8%で、殿堂入りには程遠い。複数のタイトルホルダーも7人いる。石井琢朗以下の候補が殿堂入りする可能性はかなり低いのではないか?
エキスパートでも柴田、新井ら名選手が続々と
エキスパート表彰候補者では、2000本安打以上は7人いる。
【エキスパート表彰(10人)】
6位:谷沢健一78歳35票(23.3%)2062安打(安1首2)
8位:柴田勲81歳32票(21.3%)2018安打(盗6)
9位:新井宏昌75歳27票(18%)2038安打(安1首1)
10位:有藤通世79歳27票(18%)2057安打(首1)
11位:加藤秀司77歳21票(14%)2055安打(MVP1首2点3)
13位:大島康徳 故人17票(11.3%)2204安打(本1)
15位:野村謙二郎59歳15票(10%)2020安打(安3盗3)
7人のうち5人が後期高齢者、1人は故人だ。
この7人のうち柴田は2010年から、加藤は11年から、谷沢と有藤は14年から、大島は15年から、新井は22年からエキスパート投票に名前を連ねているが、得票は一向に増えない。
2020年に加藤秀司と話をすることがあったが「(殿堂入りは)無理だろ」と言っていた。特にエキスパート投票の候補に長く上がっている人たちにとって、この時期は愉快ではないだろう。
まとめて殿堂入りする機会はできないものか
投票者の多くが、これらの大選手が殿堂にふさわしくないと考えているのではなく、毎年、「彼よりも優先順位が高い」と思う選手がいることで、票が分散しているとみられる。
毎年このことを取り上げているが、一度、こうしたランキングに滞留している野球人を、まとめて殿堂入りする機会を作るべきではないか。
彼らが元気なうちに、当然の評価をすべきだと思う。

