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「巨人が優勝したら坊主になる」“広島ファン”久米宏が猛抗議された日…なぜ“優勝4日後”に坊主にしたのか? 「早まるな」徳光和夫は久米に電報を送っていた
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岡野誠Makoto Okano
photograph byJIJI PRESS
posted2026/01/19 11:00
『ザ・ベストテン』(TBS系)『ニュースステーション』(テレビ朝日系)などで活躍した久米宏さん
〈みんな、お前のことを気が弱いというけれど、そうじゃない、慎重になりすぎるだけなんだ。(中略)だが、慎重なだけではいけない。大胆に攻めるときは攻めろ〉(89年7月3日号/週刊ベースボール)
「ノミの心臓」と揶揄されたサイドスローは、藤田の言葉で蘇った。斎藤は5月10日の大洋戦を皮切りに、11試合連続完投勝利の日本記録を樹立。緒方耕一や井上真二など若手の台頭、8月20日まで打率4割をキープしたクロマティも原動力となり、巨人は独走で10月6日(金曜)に優勝を決めた。
「早まるな」徳光和夫の“優しさ”
同日の夕方帯『ニュースプラス1』(日本テレビ系)のキャスターを務める徳光和夫は、久米に電報を打った。
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「早まるな 頭は急に戻らない」
徳光は82年3月29日、『ズームイン!!朝!』(日本テレビ系)で「巨人が優勝しなかったら坊主になる」と公言。巨人は0.5ゲーム差で中日に競り負け、ペナントを逃した。「広島が優勝しなかったら坊主になる」と宣言した脇田義信アナとともに、11月8日の番組内で頭を刈った。
〈放送の中でやるなんてイヤラシイでしょ〉〈取材を受けながら〝あざけりもののヒーロー〟になりながらやったってことは不本意なんですよね〉(82年11月25日号/週刊平凡)
坊主になると寒いし、汗が頭から吹き出る。そんな不便さを知る徳光は久米を思い遣った。
〈切らない方がいいですよ。ニュースで新時代をつくった人だから。ほかの人ならいいけれど、久米さんには坊主にしてほしくない。ホントに生えてこない。1年は戻らないですよ。(中略)でもねぇ、いっそ切るなら、巨人のGのマークが残るように切るなんてのはどう?〉(89年10月10日付/報知新聞)
優勝当日は坊主にならず…巨人ファン抗議
熱烈なG党は久米を許さなかった。藤田監督が宙に舞った日の『ニュースステーション』で、久米は「巨人ファンの皆さん、優勝おめでとうございます」と触れただけで、坊主にならず。テレビ朝日には、抗議の電話が約300件も殺到した。G党は徳光の例を思い出し、放送中に頭を丸めると思ったのかもしれない。
この日、視聴率は19.6%と前日より6.3%もアップ。久米の坊主には社会的な関心があった。ビートたけしは『週刊ポスト』の連載『世紀末毒談』でこう綴った。

