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箱根駅伝「今年も青学大の山が強すぎる」問題…リザーブ選手から“衝撃の一言”も「69分台では上れる」「57分台では下れるかと」“最強の法則”の秘密は?
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酒井俊作Shunsaku Sakai
photograph by(L)JIJI PRESS、(R)Nanae Suzuki
posted2026/01/04 11:02
特大の区間新記録をマークした5区の黒田朝日(左)と1年生ながら区間3位と好走した6区の石川浩輝。なぜ青学大は毎年、山区間を「外さない」のだろうか?
ひたすら土台を作ったうえで適性を見抜く。その格好の舞台となったのが、昨年6月、秋田県で行われた男鹿駅伝である。
第2区 松田 区間1位
第3区 石川 区間1位
第6区 遠藤 区間1位
男鹿半島を一周するコースは起伏が激しく、箱根の「山区間」を仮想するにはうってつけである。昨夏は中央大や立教大、東洋大など箱根駅伝出場校も参戦するなか、昨夏は7区間中6区間でトップに立つなど完勝した。ここで快走した遠藤は言う。
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「僕は6月の駅伝で上り下りのコースを走って、そのときに『山下り行けそうだな』という感じで監督に言っていただきました。(選手選考で)大きかったと思います」
控え選手でも「57分台では走れるかなと」
遠藤にも、走ることが叶わなかった6区の目標タイムを訊くと、またまた、こともなげに言うのだ。
「57分台で走れればいいと思っていました。それぐらいでは走れるかなと」
今大会ではサブメンバーに回ったふたりが、いずれも区間記録に迫ろうかというタイムを平然と口にするのだから、このチームの底は見えず、本当に空恐ろしい。
それは監督の原が豊富な練習を課し、自らの目で適性を見極め、かけるべき言葉をかけ、人使いにも細心の注意を払う賜物だろう。
箱根駅伝の閉会式を終えると、外は暗くなっていた。山下りで総合優勝に貢献した石川は思い出したかのように、この日のレース後、原監督に言われたことを明かした。
「今回、山を下ったあと、足の裏にマメが一個もできてなくて。その話を監督にしたときに『接地が良かったりという部分で、やっぱり下りに適性があるんじゃないかな』と言われたんです」
名将の確かな目を物語る言葉である。
青山メソッドは結局、得体が知れなかった。だが、箱根駅伝に青春を燃やす学生ランナーの言葉の端々には最強の法則が宿っていた。

