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箱根駅伝「今年も青学大の山が強すぎる」問題…リザーブ選手から“衝撃の一言”も「69分台では上れる」「57分台では下れるかと」“最強の法則”の秘密は?
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酒井俊作Shunsaku Sakai
photograph by(L)JIJI PRESS、(R)Nanae Suzuki
posted2026/01/04 11:02
特大の区間新記録をマークした5区の黒田朝日(左)と1年生ながら区間3位と好走した6区の石川浩輝。なぜ青学大は毎年、山区間を「外さない」のだろうか?
「後ろから追われる展開でしたが、自分のやるべきことをやるだけだと思っていたので、そこまで気にならなかったですね」
石川は準備万端だった。1年前、区間新記録となる56分47秒で走った野村昭夢にアドバイスを求めたという。すると、卒業していった先輩はこう後押しした。
「記録を出したいなら、最初から休むな」
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6区の序盤5kmは上りである。それでも石川は最初の1kmを2分50秒ほどで通過している。ちょっと速く入りすぎたと感じるほど、レースにのめりこんでいた。そこには成功体験を共有できる、常勝校ならではのメリットがあった。
そして、そんな石川を大抜擢したのが原である。
しかも、下りに強いことは、それまで石川が自覚していない特長だったという。青学大には特殊区間の6区を希望して入学してきたわけではなく、平地で頑張ろうと考えていた。だが、昨年10月、初めて原に「下りに適性があるね」と言われたのだ。
思い当たる節は、ない。
「練習も全体と同じ流れなんです。特別な練習もしていません。下りが得意だと思ったこともありません」
それでも、なぜか原の言葉に導かれた先に快走があった。
「山下り」のリザーブ選手が語った胸中
メンバー入りしながら、箱根で走ることができなかった2年生の遠藤大成は、チームの総合優勝を喜びつつ、忸怩たる思いも抱えていた。
「箱根の雰囲気を感じることができたのは一番大きかったです。この景色を1年間、忘れずに頑張っていきたい。でも、高校の後輩が走ったので悔しい部分もあります」
遠藤は佐久長聖高の1年後輩にあたる石川の付き添いだった。つまり、6区のリザーブである。6区の行動をともにし、もし石川にアクシデントが生じれば山下りを任されることになっていた。
遠藤は石川とはちがって、高校時代から下り坂が得意だと感じていた。それでも、そのことを強く意識するようになったのは、やはり青山学院大に入学後である。
「監督が言った言葉で、僕自身が気づかされた部分だったんです。クロカンとかを走っているのを見て判断しているんじゃないでしょうか。1年時から『下りに適性があるね』と言われていたのですが、2年になって『下りでいけ』と言われはじめました」

