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箱根駅伝「今年も青学大の山が強すぎる」問題…リザーブ選手から“衝撃の一言”も「69分台では上れる」「57分台では下れるかと」“最強の法則”の秘密は?
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酒井俊作Shunsaku Sakai
photograph by(L)JIJI PRESS、(R)Nanae Suzuki
posted2026/01/04 11:02
特大の区間新記録をマークした5区の黒田朝日(左)と1年生ながら区間3位と好走した6区の石川浩輝。なぜ青学大は毎年、山区間を「外さない」のだろうか?
黒田が走りだすのを見届けてから、松田は部員たちとゴール地点の芦ノ湖に先回りした。そして、その車中で見守った液晶画面に映る先輩の激走ぶりにもどかしさが募った。
「(悔しさとうれしさが)半々でした。走りたいなと思いました。来年は自分が走るんだという気持ちになりました」
松田は駅伝の名門、福岡・大牟田高で活躍し、高校3年時の全国高校駅伝では上り基調のコースである3区(8.1075km)で区間4位の実績を持つ。昨年2月にはU20日本選手権クロカンの8kmで4位。走歴をたどるだけでも健脚自慢のランナーであることがわかる。
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1年生であれ、強豪校の一員としての自負がある。だからこそ、胸を張る。
「準備はできていました。監督のなかで朝日さんを5区に使うというのは多分、12月の中旬から下旬にかけて決めたと思うんですけど、もし何かアクシデントがあったときは朝日さんが2区にいかないといけません。そのときに走るのは自分なので、しっかり最後まで準備はしていました」
「69分台を出せる自信はあった」
松田は自らの調整に手ごたえを摑んでいた。原にも「70分切りは見えるよね」と言われたという。本当に数字好きな監督である。そして、松田はこう明かすのだ。
「走れれば、自分も69分台を出せる自信はあったんです」
今大会に照らせば、5区で区間3位だった早稲田大の工藤慎作(3年、千葉・八千代松陰)の1時間9分46秒に相当する。彼らの口からタイムが発せられると、大言壮語に聞こえないから不思議である。
松田もまた、6区を走った石川と同じようにここまで1万m、ハーフマラソンを走っていない。箱根駅伝の1区間20km以上を走破するためにはスピード持久力が欠かせず、本来なら欠かせないレースのはずである。だから、選手に不安が生じてもおかしくない。だが、松田はあっけらかんと言う。
「自分としては監督のメソッドに従って、監督が敷いたレールに乗って練習していくだけなので、そこに不安は感じなかったですね。ハーフマラソンのレースって、練習でやってきたことを吐きだすだけです。ハーフを走らない代わりに25kmとか30kmの距離走をたくさんやっていました」

