プロ6年間で一軍登板は4度だけ…大阪桐蔭“黄金世代のエース”が他球団からのオファーに「移籍の選択肢はなかった」ワケは？「今となって考えれば…」 

　育成で頑張ってきた2年間を経て、NPB以外の世界で野球を続けることは、育成でがむしゃらにやってきた自分を否定することになるのではないか。そういう気持ちがずっとしこりのように胸に残っていた。

「育成の2年間で大成しなかったのに、さらに環境が変わってしまう世界で成功するとも思えなかったんです。でも、野球が嫌いになった訳ではないんです。それでも野球をしたいのなら草野球をすればいいのかなというのも頭にありました」

　だからトライアウトに挑戦したのは「もう引退試合みたいな感じでした」と柿木は言う。

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「やっぱり親に（投げる姿を）見てもらいたかったというのもあるので。これでもう（他球団から）オファーがなかったら最後かなくらいの気持ちで投げました」

　2人の打者に対し、空振り三振、左飛に抑えたがNPB球団からのオファーはなかった。

　プレーヤーとしての続きを繋ぎ止めることはできなかったが、スタンドで見守った家族を前に最後に堂々たるピッチングを披露できた。

トライアウトにいた球界の外からの「スカウト」

　実はそのスタンドには野球界以外の「スカウト」の姿もあった。現在、柿木が勤務している保険会社「ICジャパン」の社長である。

＜次回へつづく＞

#3に続く

大阪桐蔭“最強世代の背番号1”は保険会社の営業になっていた！「画面を見ながらパソコンを打つのは難しい」厳しい現実も…柿木蓮の「第二の人生」

#3

大阪桐蔭“最強世代の背番号1”は保険会社の営業になっていた！「画面を見ながらパソコンを打つのは難しい」厳しい現実も…柿木蓮の「第二の人生」

#2

プロ6年間で一軍登板は4度だけ…大阪桐蔭“黄金世代のエース”が他球団からのオファーに「移籍の選択肢はなかった」ワケは？「今となって考えれば…」

#1

大阪桐蔭“最強世代のエース”はなぜプロで輝けなかった？ 「性に合わずあれこれ考えるように…」元日ハム・柿木蓮が振り返る「結果が全ての世界」