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「年俸1億円ダウン」ソフトバンク柳田悠岐“38歳で引退”、撤回のウラ側「足の指に激痛も…」阪神・石井大智から衝撃弾、日本一“3日後”に練習再開の意味
posted2025/12/09 06:01
ソフトバンク柳田悠岐37歳、引退撤回のウラ側とは
text by

田尻耕太郎Kotaro Tajiri
photograph by
Nanae Suzuki
ソフトバンクの柳田悠岐が「引退プラン」を撤回した。
2019年オフに締結した7年契約がついに来季で最終年を迎える。それを結んだ際には「38歳までやって、そこ(契約満了)でフィニッシュ」と真正面から言い切っていた。
その後何度か気持ちに変化がないのか探りを入れたものの、2026年限りでユニフォームを脱ぐ意思が揺らぐ気配すら見せることはなかった。だがしかし、11月29日に臨んだ契約更改後の会見で次のように公言したのである。
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「その先の契約が来るか。来シーズンの結果が大事になる。来シーズンしっかり活躍して、契約を考えていただけるような成績を出したい」
契約更改では2年連続で1億円ダウンの大減俸でサインした。
「自分がイメージしたくらいの下がり幅でした」
「足の指に激痛も…」引退撤回ウラ側
昨季は5月に二ゴロを放って一塁へ走っていた途中に右脚の筋損傷を発症して長期離脱し、レギュラーシーズンの出場は52試合にとどまった。今季も4月11日のロッテ戦(ZOZOマリン)で右脛に自打球を当てて骨挫傷を起こして5カ月ほど戦列を離れてしまい、レギュラーシーズン出場はプロ1年目を除けば最少の20試合に終わった。
柳田には“バリバリの状態のまま引退したい”という引き際の美学があるのだという。それと照らし合わせて、この2年間の不甲斐ない成績のままで終われない意地があると見る向きもある。その気持ちもゼロではないだろう。
しかし、柳田の言葉からは意地という感情ではなく、自分自身への可能性に対する自信が伝わってきた。「まだやれる」――それが現役続行への心変わりを後押ししたのだと思った。
「ポストシーズンに出るまでは、復帰した時はもう試合に出ないと思ってた。そこからああいう風に持っていけたので自信を取り戻せたのはありますね」
今年の自打球による骨挫傷は「怪我のキャリアハイ」と表現するほどだった。「足の指をぴくっと動かすだけで激痛」。日常生活もままならない日々だった。

