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日本代表F組は「そこそこ死の組」だが…W杯で意外と多い「優勝経験国の最下位敗退」内紛、大黒柱のケガで屈辱2回はドイツでもイタリアでもない 

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茂野聡士

茂野聡士Satoshi Shigeno

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posted2025/12/06 17:49

日本代表F組は「そこそこ死の組」だが…W杯で意外と多い「優勝経験国の最下位敗退」内紛、大黒柱のケガで屈辱2回はドイツでもイタリアでもない<Number Web> photograph by PA Images/JIJI PRESS

北中米W杯の組み合わせ、各組をじっくり見るとハッキリとした「死の組」はないように見えるが……。

 アウトサイダーと見られたコスタリカがGKナバスの神セーブ連発を中心に勝ち点を積み上げ、W杯優勝経験3カ国を差し置いて首位突破を果たした。まさかイタリアとイングランドが地獄を見る(さらにイタリアはその後、2大会連続で予選敗退)と誰が予想したか。

 もちろん前回カタールW杯では、2大会連続でドイツが涙をのんだ22年のE組も、波乱の立役者は日本だったわけだが……。

 48カ国に増えた今大会、32カ国が決勝トーナメント進出を果たせる。3位だとしても「成績上位8カ国」ならOKなのだが、4位はこれまで通り、GS敗退となる。歴史を振り返ってみると、21世紀に入ってからイングランドとドイツが1回ずつ、さらにはフランスが2回と、欧州の列強国がたびたびグループ最下位の屈辱を味わっている。特にフランスはドメネク監督と選手の間で内紛が発生した10年、大黒柱ジダンが大会直前にケガを負ったことで立て直しが利かなくなった02年と、短期決戦で崩れる典型例を示してしまった。

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 とはいえ現代表監督のデシャンはチームに規律を植え付け、直近2回のW杯で優勝、準優勝と結果を残している。その中で、02年でジャイアントキリングを食らったセネガルと同組になったのは、何の因果か。

優勝を果たした国のGS成績を見ると

 最後に、98年以降に優勝を果たした国のグループステージ成績を見てみよう。

98年フランス:南アフリカ○3-0、サウジアラビア○4-0、デンマーク○2-1
02年ブラジル:トルコ○2-1、中国○4-0、コスタリカ○5-2
06年イタリア:ガーナ○2-0、アメリカ△1-1、チェコ○2-0
10年スペイン:スイス●0-1、ホンジュラス○2-0、チリ○2-1
14年ドイツ:ポルトガル○4-0、ガーナ△2-2、アメリカ○1-0
18年フランス:オーストラリア○2-1、ペルー○1-0、デンマーク△0-0
22年アルゼンチン:サウジアラビア●1-2、メキシコ○2-0、ポーランド○2-0

 開幕戦で一発叩かれて目を覚ましたスペインとアルゼンチンが目につくが……全チーム第2戦、第3戦は無敗。優勝候補が徐々にギアを上げている証拠と言える。だからこそ、第1回で取り上げた日本のGS第2戦での通算成績「1勝3敗3分」は気になるところ。優勝を目標設定するなど、決勝トーナメントを勝ち上がるためには、右肩上がりの結果を期待したい。〈つづきの第1回は下の【関連記事】へ〉

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