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「メッシとロナウドは熟知している」「モドリッチもだ」W杯優勝なら“バロンドール再獲得”か…仏誌編集長が2026年をどこよりも早く展望
posted2025/11/30 17:02
アルゼンチン代表でいまだ絶大な存在感を放つメッシ。もしW杯連覇となれば、再びバロンドール獲得の道が開くかもしれない
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田村修一Shuichi Tamura
photograph by
Megan Briggs/Getty Images
フランス・フットボール誌のヴァンサン・ガルシア編集長へのバロンドールインタビューの第3回(全3回)である。アイタナ・ボンマティが3年連続受賞という偉業を成し遂げた女子サッカーの現状を、ガルシアはどう見ているのか。バルセロナとプレミア勢の優位は、これからも続いていくのか。
そしてバロンドールは来季、創立70周年という節目の年を迎える。同時に2026年は、アメリカ・カナダ・メキシコ共催のW杯が開催される年でもある。これまでもW杯は、バロンドールの結果に少なからぬ影響を与えてきた。それは次回においても変わらないのか。今はヨーロッパを主戦場としていないメッシ、クリスティアーノ・ロナウドにもチャンスはあるのか……ガルシアの分析は続く。
3年連続女子バロンドールの“全能”スペイン人とは
――女子についても少しうかがいます。アイタナ・ボンマティが3年連続で受賞しましたが、全体の印象はどうですか?
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「ボンマティは女子サッカーのレジェンドになりつつある。それが当然と思えるのは、彼女が完璧な選手であるからだ。得点を挙げるばかりでなく、知性もテクニックも兼ね備えている。女子サッカー史上最高選手と言えるだろう。昨季はCLも女子EUROも、決勝敗れたが、その存在は全能に近く、卓越して他の追随を許さない」
――3年連続は女子では画期的です。
「投票が接戦であったのは少し驚いた(ボンマティ506ポイント、2位マリオナ・カルデンティ478ポイント)。もちろんカルデンティも素晴らしい選手であるし、4位に入ったアレクシア・プテージャス(バルセロナ)はボンマティ以前に2年連続で受賞している。彼女もまた素晴らしいシーズンを過ごした。それでもボンマティは傑出している」
――男子同様に女子も、ヨーロッパの中心はイングランドに移った感があります。
「ここ数年の間に、イングランド勢が頭角を現したのは、卓越した経済力によるものだ。女子サッカーは人気面でスタジアムがなかなか満員にならず、財政的にも男子に比べ厳しいが、プレミアのクラブは経済的に恵まれ人気も安定している。その結果、世界中からトップの選手と監督を集め、アドバンテージを築いた。それに続いているのがバルセロナだ」
――アメリカ勢についてはどうですか。リーグは盛況ですし、代表チームはW杯や五輪などのタイトルも多く獲得し、FIFAランキングでは常時トップ5に入っていますが、今季のバロンドールにはほとんど関りがありませんでした。

