プロ野球PRESSBACK NUMBER
「気になる言動ある」巨人・阿部慎之助監督に伝えたい…“結果論で采配批判する声”にどう対応すべきか? 阪神・藤川球児監督もかつて苦悩していた
text by

岡野誠Makoto Okano
photograph byNanae Suzuki
posted2025/10/12 11:02
巨人監督の阿部慎之助(46歳/手前)、阪神監督の藤川球児(45歳)
そして、采配に非難が集まる時、大半は結果論で語られる。阿部監督のコメントからは、その不満が表れている。
「外の声に反論」は正解か?
■5月25日 巨人 5対2 ヤクルト(東京ドーム) ※戸郷翔征が中4日の先発で初勝利
―中4日に急に変えた
「そこで、すぐ、甲子園のときに切り替えてね。いろんなご指摘あったけれどね。こっちの事情もあるので。良かったなと思いますよね。あそこですぐ代えて、中4日で勝てた。結果論で。よかったなと思いますよ」
■7月19日 巨人 0対4 阪神(東京ドーム) ※延長11回にリリーフの船迫大雅が2被弾
「まあ継投も、最後やられちゃったけど精いっぱいやってくれたので。たぶんね、結果論で物言われるんだろうけど。信頼して送り出したのでね。そこはもう本人のせいじゃなくて僕が使ったので。申し訳ないなと思います」
ADVERTISEMENT
勝てば官軍、負ければ賊軍。もし戸郷が中4日で打たれれば猛批判されただろうし、船迫が抑えていれば何も言われないのである。采配を「結果論」で語られる風潮に、阿部監督は物申したのだろう。
稀代の大捕手も、人の子なのだ。評論家のみならず、ファンの声も気になる。人間らしい心理だし、反論する権利も当然ある。そうとわかっているが、阿部監督にはもっとメディアやファンの声を「別物」と割り切ってほしいと感じる。
「外野の批判」に井口資仁の見解
以前、ロッテの監督を務めた井口資仁氏に取材した時、「野球解説者の論評や苦言をどう感じるか」と質問すると、こんな答えが返ってきた。
〈プロは負ければ何かを言われる。これは、仕方ないですからね。評論家は結果を見て話す。監督は何が起こるかを考えた上で、最善の手を打つ。過去の分析と未来の想定という真逆の作業なので、全然気にはしなかったですね〉(2023年4月29日配信/Number Web)
SNSでのファンの采配批判について聞くと、次のように語っていた。


