「気になる言動ある」巨人・阿部慎之助監督に伝えたい…“結果論で采配批判する声”にどう対応すべきか？ 阪神・藤川球児監督もかつて苦悩していた 

〈たまに見ますけど、『こういう考えの人もいるんだな』と思いながら、ちょっと楽しんでます。どうしたら、その発想になるんだろうなとか（笑）。野球に関して何か言われても、なんとも思わないですね〉（同前）

　泰然自若と話す口調から、全く眼中にない様子が伝わってきた。一部には「巨人とロッテのプレッシャーは違う」という意見があるかもしれないが、セパの全試合が生中継され、SNSで誰でも意見を言える今の時代、どの球団の監督も同じように圧を感じる状況にある。

あの阪神で…藤川球児はなぜ冷静？

　では、阪神の藤川球児監督はメディアやファンの批判をどう考えているのだろうか。『デイリースポーツ』の試合後のコメントを全て読んでも、阿部監督のような外野の声を気にする文言は見当たらなかった。

監督就任1年目で阪神をリーグ優勝に導いた藤川球児 ©Hideki Sugiyama

ADVERTISEMENT

　序盤はSNSなどで藤川采配への不満が漏れており、阪急阪神ホールディングスの株主総会では「そもそも組織をまとめるリーダーとしての資質がないように思えてなりません」と発言する人もいた。必ずしも肯定的な意見ばかりではなかったが、藤川監督は全く動じなかった。

　なぜ、冷静沈着を保てるのか。解説者時代の一昨年、『私の仕事論』をテーマにしたYouTubeチャンネル『キャリオク』で、周囲の批判について次のように語っている。

「1億3000万人中、10万人しか言ってなくね？」

〈現役の時、打たれると「アイツなんで、こんなところでストレートばっかり投げるんだ」と言われる。100回中1回しか打たれてなくても言われる。その時は相当、悩みました。だけど、悩んで寝ても、次の日は必ず来るわけですよ。で、同じギリギリの場面になった時、またストレートを選んでいる。で、良い結果が出たら、何も言われないんですよ。

　つまり、人は何か言いたい時だけ意見を言う。日本には1億3000万人いる。その10万人が「お前は何してるんだ？」って言ってきたとしても、「10万人しか言ってなくね？」って。他の人たちは興味がないのか、もしくは戦っている姿を陰で見ている〉（※発言を元に主旨をまとめた。以下同）

　そうはいっても、10万人から厳しい意見を浴びれば、追い込まれた気持ちになるだろう。

【次ページ】　筆者から“最後の提案”