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「日本の野球なめるな」阿部慎之助監督に“最も怒られた巨人選手”は誰か? 全143試合の発言ガチ検証…苦言に隠された“選手を褒める”意外な素顔
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岡野誠Makoto Okano
photograph byHideki Sugiyama
posted2025/10/12 11:00
巨人を率いる阿部慎之助監督(46歳)
「皆さんがプレッシャーかけるから」
■4月23日 巨人 2対0 中日(東京ドーム) ※山崎伊織が開幕から28回連続無失点
―山崎はゼロで抑えたのが一つの成長か
「それもあるし、球団記録か何か知らないけど、皆さんがプレッシャーかけるからたぶん慎重になりすぎちゃったんじゃないかなって。そういうのはあったかなっていうのは見えましたね」
■8月7日 巨人 2対3 ヤクルト(東京ドーム) ※先発の石川雅規に手こずる
―打線は石川を打ち崩せなかった
「そうですね、こっちの指示のミスじゃないですかね。もう術中にハマってましたからね」
■9月3日 巨人 5対3 ヤクルト(京セラドーム大阪)※泉口友汰が打率リーグトップに
―泉口の魅力は
「取り組む姿勢が素晴らしいし、集中力が素晴らしいので。あと状況判断もしっかりできるし。プレッシャーにならないようにやってあげてくださいよ。首位打者になったら盛大にやってあげてくださいよ」
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何かと記録を取り上げるメディアを牽制し、山崎や泉口を重圧から守ろうとする親心が垣間見えた。このように、阿部監督は決して「苦言」ばかり呈したわけではないのだ。
“苦言”の使われ方は正しい?
そもそも、「苦言」は〈本人のためを思い、言いにくいところまであえて言って、いさめる言葉〉という意味である。「いさめる」を調べると、〈主に目上の人に対して、その過ちや悪い点を指摘し、改めるように忠告する〉(小学館『デジタル大辞泉』参照。以下同)とある。
つまり、“主に目上の人に対して”という点に着目すれば、指揮官の選手への発言は「注意」だろう。厳しい言い方の場合なら「叱責」が当てはまる。
そこで、単なる注意を超えた“叱責”(意味:他人の失敗などを叱り、咎めること)はどのくらいあったのか。WEB『スポーツ報知』の試合後の一問一答を元に、阿部監督の全143試合のコメントを検証しよう。まず、“叱責”の判断基準は以下とする。
全コメント検証…最も叱責された選手
1.「だらしない」「示しがつかない」「ガキの使い」など強い言葉があった時
2. 前後でフォローがなく、ミスだけを咎め続けた時
どちらかに当てはまる場合、「叱責」と考えた。実際に数えてみると、14回あった。割合にすれば、10試合に1回程度しかない。選手別ランキングはこうなる。

