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「日本の野球なめるな」阿部慎之助監督に“最も怒られた巨人選手”は誰か? 全143試合の発言ガチ検証…苦言に隠された“選手を褒める”意外な素顔
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岡野誠Makoto Okano
photograph byHideki Sugiyama
posted2025/10/12 11:00
巨人を率いる阿部慎之助監督(46歳)
【阿部監督に叱責された選手ランキング】
1位:3回 トレイ・キャベッジ
2位:2回 戸郷翔征
3位タイ:1回 エリエ・ヘルナンデス 中山礼都 リチャード 泉口友汰 井上温大 湯浅大 又木鉄平 泉圭輔 森田駿哉
意外にも、外国人のキャベッジが最も叱責されていた。全3回を見てみよう。
キャベッジになぜ厳しい?
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■7月1日 阪神 2対1 巨人(甲子園) ※1点を追う7回、代打でライト前に運ぶも……
―7回先頭でキャベッジが右前安打で二塁タッチアウト
「アグレッシブであれを済ませて良いのかっていうね。すごい、野球知りませんっていうのとアグレッシブは紙一重かもしれないけど、そうでは済ませて欲しくないですよね。アグレッシブにいってセーフになった試しないから」
■7月29日 中日 8対5 巨人(バンテリンドーム) ※2発5打点も、守備でミス
―キャベッジはいい兆候が見えた
「あとあのフライ捕ってくれれば何も言うことなかったんだけどね。ああいうのはやっぱり失点につながっちゃうよね。ああいうところをやっぱもう一回詰めていかないと痛いミスになっちゃうよね。記録にはなってないけど、エラーだよ」
■8月29日 阪神 3対4 巨人(甲子園) ※走者一掃の勝ち越し打も……
―キャベッジは二塁でストップして三塁打にできず
「いけるところはいってほしいですし、そこをたぶんホームラン入らなくて悔しがってただけに見えちゃったので。それがどうかなっていうね。そしたら次のリチャードで1点入ってたかもしれないし。5―1と4―1は全然違いますからね。細かいですけど、そういうのも結構多いのでね。こちらの指摘の仕方も、もっと僕風に怒鳴った方がいいのかなと。日本の野球なめるなと。アメリカの野球を僕がなめてるわけじゃないけど、そういう細かいこともできないと日本じゃ成功しないよって、今日は勝ったからこそ言ってあげたいですね」
いずれも打撃ではなく、守備や走塁について叱責している。外野手のキャベッジは上記の他にも、レフト前ヒットで一塁走者の三進を許すなど隙を見せていた。
叱責の効果はあったのか?
阿部監督は助っ人だろうと、叱るべき時は叱る。指揮官の度重なる叱責が効いたのか、キャベッジは終盤戦で変身する。
田中将大が200勝に挑戦した9月15日のDeNA戦(横浜)では、6回に筒香嘉智の鋭い当たりをファインプレーで阻止。17日のヤクルト戦(神宮)では4回無死一塁でセンターフライを取った後、一塁ランナーの北村恵吾にタッチアップされるも、二塁で刺した。普通のプレーではあるが、中盤戦までのキャベッジなら二進を許していたかもしれない。
阿部監督が叱責するのは助っ人選手だけではなかった。開幕投手を任せた、WBC日本代表選手にも厳しい言葉を送っている。戸郷翔征である。
〈つづく〉

