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「ロバーツ監督、ピッチャー交代が昔から下手…」NHK解説者が疑問視、“ドジャース監督の投手起用ミス”「7年前も悲劇」「最後は“クローザー大谷翔平”だ」
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遠藤修哉Naoya Endo
photograph byGetty Images
posted2025/09/21 17:02
9月5日のオリオールズ戦4回、投手交代を告げるロバーツ監督。大谷翔平は悔しそうな表情
さらに、守備面にも大きな不安を残す。正捕手のウィル・スミスがケガから復帰するも、再び負傷し離脱。代役を務めたラッシングもケガで離脱。若手捕手のロートベットがマスクを被っているが、パスボールを連発するなど細かなミスが目立っている。
「こういうときこそ、経験豊富なオースティン・バーンズのような“職人”がいてほしかったよね。5月にドジャースは戦力外にしてしまったけど、俺個人はいまFAになっているバーンズの復帰を望んでいる」
最後は「クローザー大谷翔平」だ
今後のポストシーズンを見据えると、ドジャースの戦いはさらにシビアになる。
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「ロバーツ監督は昨シーズン、ポストシーズンで投手運用がピタピタ当たって自信を持っているかもしれないけれど、今年はそうなるとは限らない。不安定な救援投手のためにも絶対に地区優勝を獲るべきだよ」
並走するライバルもそれぞれ不安を抱えている。フィリーズはトレイ・ターナーをはじめ、主力の離脱が相次ぎ、パドレスは補強で勢いは得たものの、武田氏いわく「直接対決でドジャースに弱い」という体質を残す。そのうえで、決め手となるのは何か? 武田氏は「10月は“強さ”より“勢い”が大事」だと指摘する。
「ポストシーズンはシリーズの初戦を獲った方が波に乗る。下位から上がってくるパドレスは、そういうときに勢いを感じさせるチーム。正直あの雰囲気は怖いですよ」
だからこそ、ドジャースはポストシーズンに向けて投手運用を整えたいところ。まず、先発の柱は山本由伸、タイラー・グラスノー、ブレーク・スネル、大谷翔平。そして現役引退を発表した37歳のベテラン、クレイトン・カーショーだ。
「カーショーは勝ち方を知っている。今シーズンの前半、マウンドに復帰して5試合ほどは悪かったけど、オレはそれ以降は復調すると見ていた。実際、カーショーはここにきて安定したピッチングをしている。以前、ロバーツ監督はカーショーに依存して中3日で投げさせて、ポストシーズンで失敗しているんだけど、やはりこのベテランが大一番で頼りになると見ているよ」
次に考えられるのが、大谷翔平のクローザー起用だ。
「ポストシーズンを勝ち進んでワールドシリーズに進出したら、大谷をクローザー起用するのはあり得るよ。WBCの前例が示す通り、シーズンの最後の最後なら準備はできるはず。先発4枚体制で不安定なリリーフの穴を大谷で塞ぐ。短期決戦でのみ成立する策だよね」
短期決戦の“勢い”を手繰り寄せるには、レギュラーシーズンのうちに、ベンチワーク修正を積み上げるしかない。ポストシーズン、10月への突破口は、ベンチワークの改革にかかっているのかもしれない。

