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「ロバーツ監督、ピッチャー交代が昔から下手…」NHK解説者が疑問視、“ドジャース監督の投手起用ミス”「7年前も悲劇」「最後は“クローザー大谷翔平”だ」
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遠藤修哉Naoya Endo
photograph byGetty Images
posted2025/09/21 17:02
9月5日のオリオールズ戦4回、投手交代を告げるロバーツ監督。大谷翔平は悔しそうな表情
「100球を目安に先発投手を交代させる、記録が途絶えた選手もその時点で交代させる、そんな固定観念に囚われているのではないか。山本は日本で2度もノーヒットノーランを達成している大投手。記録は途絶えたが、投球数はまだ112球だった。ここで続投を判断しなかったのは疑問だよ。日本なら投手の記録が途絶えたとき、監督がマウンドに行き、続投の意思を本人に確認することが多い。単純に球数で区切ってスパッと交代させるのは、アメリカならではのドライな文化なのかもしれないね」
ただ、ドジャースの場合、他のチームと事情がすこし違う。大谷翔平を含めて先発5人制を敷いているため、他チームの先発が「中4日」間隔でローテーションするのに対して「中5日」のゆとりが生まれるのだ。
「もちろん中4日なら100球でいいよ。でも、ロバーツ監督は、中5日の登板間隔でも、100球前後で降板させようとするでしょう。中5日なら110球、中6日なら120球。こんな目安で運用すれば、先発投手が7回まで投げれるようになる。そうすれば、ブルペンの負担は2イニングで済むんだよ。今は先発を100球、6回で降ろしがち。だから、7回、8回、9回にリリーフを総動員してしまい、中継ぎは疲弊し、結果不安定に。その負のループに陥っている」
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“ノーノー”未遂の翌週、山本の登板となった9月12日のサンフランシスコ・ジャイアンツ戦。7回1安打で降板した山本の勝ち投手の権利をまたもブルペン陣が守れず、延長10回、抑えのスコットが満塁本塁打を喫してサヨナラ負けした。
「逃げているように見える」リリーフ陣
ドジャースが抱える問題は、継投のタイミングだけではない。ブルペンの顔ぶれそのものにもある。セットアッパーのトライネンは「自信がないフォームで、逃げているように見える」と武田氏は指摘する。抑えのスコットも波が激しい。
「勢いのある若手を使うしかないんじゃないか。ロブレスキやドレーヤーは、現状のブルペン陣にない『球の力』を持っている。彼らを積極的に起用すべきだ。9月8日のロッキーズ戦で、先発のグラスノーを交代させる際、ロバーツ監督とプライヤー投手コーチが口論しているように見えた。ロバーツが怒っているようだったけど、投手側に立つプライヤーコーチとロバーツ監督の意見が食い違っているのかもしれないね」
役割の固定も肝心だと武田氏は強調する。
「ロバーツ監督は中継ぎ投手の役割を回数や試合展開で固定せず、前倒しで使っていくでしょ。中継ぎ投手にすれば、毎日『今日は行くのか、行かないのか? どっちなの?』という気持ちでメンタルが削られる。勝っている試合の中継ぎ、負けている試合の中継ぎなど展開で役割を分けていくものだが、ロバーツ監督はそれをしないから問題が起きるんだよ」

